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八条学園騒動記

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第五百四十三話 目玉焼きとハンバーグその九

「それは意味がないから」
「お兄ちゃんもそう思うわよね」
「だからハンバーグも」
 これもというのだ。
「しっかりとね」
「ドイツ料理でも」
「美味しいなら美味しいで」
「それでいいってことね」
「そうだよ、ワインも飲んで」
 こちらもというのだ。
「楽しもう」
「そういうことね」
「そうそう、逆にエウロパの料理でも」
 そうであってもというのだ。
「自分達のものにする」
「そのつもりでいくのね」
「それが連合だよね」
「そうね、もう大きく出てね」
「連合って器大きい国じゃない」
「四兆もの人がいて」 
 それでというのだ。
「広大な領土があって」
「文化も文明も宗教も様々で」
「民族も人種もね」
「色々な人達がいるけれど」
 こう言うのだった。
「それがね」
「全部あって暮らしているから」
「いがみ合いはあっても争いはないから」
 だからだというのだ。
「連合は器が大きいよ」
「その器の大きな国だから」
「食べものも」
「その国のものだって認めて」
「例えそれがエウロパのものでもね」
 文字通り憎むべき宿敵のものであってもというのだ。
「いいものならね」
「そのまま受け入れる」
「そうすべきだしね」
「実際にそうしているわね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「エウロパのハンバーグと連合のハンバーグは違うみたいだね」
「そうなの」
「焼き方とか使う調味料が違っていたり」
「あっちはそうなのね」
「大きさも違って味付けも」
 これもというのだ。
「違うらしいよ」
「そうなのね」
「それでエウロパ戦役で連合軍の人達があっちに入った時に」
 戦争でそうした時にというのだ。
「エウロパ料理を食べて」
「ハンバーグも」
「それで味が全然違ったそうだよ」
「そのお話有名だけれど」
「ハンバーグもだったんだよ」
「そうなのね」
「そしてとにかく小さい」
 このことが一番問題だったとだ、ポルフィはその巨大なハンバーグと目玉焼きを一緒に食べつつミーナに話した。
「それがね」
「問題だったのね」
「その小ささやるや」
 それこそという口調での言葉だった。
「小学生サイズだったとか」
「そこまで小さかったの」
「それであっちが言うには」
 エウロパ側がというのだ。
「連合軍の軍人さん達は馬鹿みたいに食べるって」
「そう言ったの」
「ハンバーグの本場ドイツでもね」
「あっちが食べないだけでしょ」
「僕もそう思うけれど」
 それがというのだ。
「あっちはね」
「食べる量が少ないのね」
「それで連合軍の人達はバイキングみたいに」
「ああ、海の野蛮人ね」
 連合では彼等もそう教えている。 
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