八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百四十三話 目玉焼きとハンバーグその五
「どうも」
「そうだったの」
「それでいつも飲んでいたそうだよ」
「それで余計に太ったのね」
「そうなるね、フランスのシャンパンをね」
「フランスって」
そう聞いてだった、ミーナはどうかという顔で言った。
「ちょっと」
「フランスと戦争したのに?」
「そうよね」
「うん、普仏戦争でね」
まさにその戦争でとだ、ポルフィも答えた。
「プロイセンとフランスは戦ったよ」
「そうよね」
「ビスマルクが仕掛けて」
他ならぬ彼自身がというのだ。
「そうしてね」
「謀略使って」
「電報を改ざんして」
「悪いことしたわね」
「まあ謀略は政治だとかかる方が悪いから」
エムス電報事件だ、これが両国の感情を悪化させ戦争に至らせたのだ。
「かかったフランスが悪いんだ」
「シビアなお話ね」
「ゲームでもシュミレーションであるけれど」
「かかる方が悪いってことね」
「知力が低いとかかるから」
所謂国盗り系のシュミレーションでは常である。
「そうなるからね」
「それでなのね」
「そう、謀略はね」
まさにというのだ。
「かける方はいいんだよ」
「かかる方が悪いのね」
「それでフランスはかかって」
「戦争をして」
「負けたんだ」
「何かあっさりした展開ね」
「だってね、プロイセンは事前に用意をしていて」
それこそすぐに戦争をはじめられるまでにだ。
「フランスは殆どの人は自信満々だったけれど」
「あっさり負けたのよね」
「流石に皇帝のナポレオン三世はわかっていたよ」
プロイセンと戦争をしても巻けるのはこちらということがだ、それで実は戦争をしたくなかったという。
「けれどね」
「フランス人の殆どは勝てると思っていて」
「実にあっさりね」
「負けたのね」
「プロイセン軍は鉄道を駆使してね」
大軍を迅速に移動させたのだ、物資も。
「そうして動いてね」
「勝ったのね」
「そうなんだ、それでドイツ帝国が出来たんだ」
よりによってフランスのベルサイユ宮殿で即位してだ、フランスにはこれ以上はないまでの屈辱であった。
「そうなったんだ」
「全部ビスマルクの思惑通りね」
「そう動いたよ」
「フランスにとってはいい迷惑ね」
「そうだね、けれどね」
「ビスマルクはフランスのお酒飲んでたのね」
「シャンパンをね」
シャンパーニュ産のワインをである。
「いつも飲んでいたんだ」
「愛国心はあっても」
「愛国心と舌は別だから」
「都合がいいわね」
「ビスマルク本人のことがだよ」
「余計に都合がいいわね」
「そんなこと言ったら」
それこそとだ、ポルフィはミーナに笑って返した。
ページ上へ戻る