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八条学園騒動記

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第五百四十一話 研究室に戻ってその二

「面白い要塞にするぞ
「そはいいな、しかしな」
「しかし。何じゃ?」
「いや、博士って絶えず何か造ってるな」
 ライゾウが今度言ったのはこのことだった。
「そうだよな」
「うむ、わしの趣味じゃからな」
「だからか」
「絶えずじゃ」
「造ってるんだな」
「そういうことじゃ、一つのものを造れば」
 そうすればというのだ。
「また新しいものを造る」
「そうするんだな」
「左様じゃ、そしてな」
 博士はさらに話した。
「わしは楽しんでおる」
「それで蜘蛛型の要塞だけれど」
 タロは博士にその造りたいものについて尋ねた。
「大きさはどれ位かな」
「胴体は全長一キロで脚はそれより遥かに長い」
「それ位なんだ」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「各地を歩き回り気が向けばな」
「破壊するんだね」
「例えばヤクザの事務所等な」
「博士の気に入らない人達はだね」
「やはり殺す」
 そうすると言うのだった。
「通りがかったならな」
「何かやってることは」
 タロは博士のここまでの話を聞いて首を傾げさせつつその博士に言った。
「いつも通りだね」
「いつも通りか」
「だって破壊活動に殺人だよね」
「うむ、今度の要塞の活動目的はな」
「それって本当にね」
 まさにというのだった、博士に。
「いつもじゃない」
「というか博士の兵器ってそうだよな」
 ライゾウもタロの言葉に頷いて言った。
「破壊と殺人な」
「この二つが目的だね」
「平和利用とか抑止力とかねえよな」
「軍隊の兵器と違ってな」
「軍隊の兵器も確かに破壊と殺人が目的だけれど」
「それはそうだけれどな」
「けれど」
 それでもとだ、タロはライゾウにも話した。
「博士の場合はね」
「もう破壊と殺戮でな」
「他にないよな」
「というか抑止力って発想ないよな」
「平和利用とかね」
「軍隊の兵器は確かに平和利用も出来る」
 博士もそのことは認めた。
「航空機なり艦艇なりな」
「災害が起こった時とかな」
「そうして使うよね」
「輸送とか救助に使ってな」
「連合軍も使ってるね」
「うむ、しかしじゃ」
 博士は二匹に話した。
「わしは最初から破壊とじゃ」
「ヤクザ屋さんとかチーマーをぶっ殺す」
「そうした風に使ってるね」
「そして実際にヤクザ屋さんの事務所とか破壊し尽くしてな」
「遊びみたいに殺してるね」
「わしの趣味を満喫しておる」
 破壊活動と殺人、その二つをというのだ。
「抑止力にも使わん」
「普通は兵器ってそっちがメインだよね」
「強力な兵器を突き合わせるとな」
 どうなるかとだ、博士はタロに答えた。 
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