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八条学園騒動記

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第五百四十話 快適な旅その三

「自然災害レベルでね」
「それでもじゃな」
「うん、無差別でもないしね」
 それにというのだ。
「美学があって」
「わしはわしの美学は汚さぬ」
「絶対にだね」
「それがわしの信念でじゃ」
 それでというのだ。
「それが絶対であるからこそ」
「守っていくね」
「左様」
 タロに対しても答える、それも毅然として。
「そうしていく」
「美学は厳しいんだね」
「自分を律するものであるからのう」
 それだけにというのだ。
「厳しいものじゃ」
「それで博士もだね」
「美学からはじゃ」
 何があってもというのだ。
「離れんしな」
「破ることもない」
「そういうことじゃ」
「そうしたことがあるから」
 だからとだ、タロはまた言った。
「僕達も博士と一緒にいられるんだね」
「若しもだぜ」
 ライゾウはキャットフードを食べつつ言った、タロはドッグフードで二匹はそれぞれ朝食を食べている。
「博士が張献忠みたいな」
「中国明代の殺人鬼じゃな」
「あんな無差別に殺したいだけのな」
「そうした奴だったら」
「わしは早速滅ぼされておった」
 そうなっていたというのだ。
「宇宙の何処かの文明からな」
「危険人物だからか」
「それでだね」
「そうじゃ、そもそも張献忠もじゃ」
 この人物もというのだ。
「言われている様な殺し方をしてじゃ」
「誰彼なしに無茶苦茶にな」
「誰がそんな奴の傍におる」
 こう言うのだった。
「何時自分が殺されるかわからぬな」
「話聞いてたらそうだよな」
「そんな殺人鬼多くの者がどうする」
「そりゃ寝てる時とかにな」
 ライゾウは博士に答えた。
「襲い掛かって」
「自分が殺される前にじゃな」
「殺すな」
「それか逃げるな」
「殺される前にな」
「そうするわ」
 こうライゾウに話した。
「普通はな」
「そうだよな」
「あ奴は確かに残虐であったが」
 このことは事実でもというのだ。
「多分に創作が入っておる」
「やっぱりそうか」
「三百万が一万数千にまで減るなぞじゃ」
 当時彼がいた四川省はそこまで殺されたと書かれている。
「絶対に有り得ぬ」
「絶対にか」
「殺しまくりはじめた時点でじゃ」
「自分が逆にか」
「殺されるわ」
 そうなっていたというのだ。
「絶対に自分が殺される前にとなる」
「殺してしまえか」
「それか逃げていってしまうわ」
「そんな奴に誰も仕えたくないからな」
「訳もなく誰もが惨殺されるのじゃ」
 そうならばというのだ。
「仕えたい奴がおると思うか」
「絶対にねえな」
「遊びや訳のわからない理由で人を惨殺して回る者なぞ」
「本当に誰も仕えないで逃げるかな」
「逆に殺すわ」
「絶対にそうなるな」
 ライゾウも博士のその言葉に頷いた。
 
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