八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百四十話 快適な旅その二
「下らんのう」
「というか連合全体で海賊滅茶苦茶減ったしな」
「うん、連合軍が掃討してるからね」
二匹は博士の言葉に応えて述べた。
「減ったね」
「相当にな」
「悪事を働いて儲けようとかね」
「そうした奴がいなくなったな」
「海賊なんぞはあれじゃ」
博士は料理用ロボットが作ったオートミールが自分の前に出されるのを見つつさらに話をした。
「街のチーマーだのと同じじゃ」
「博士の嫌いなか」
「あの連中となんだ」
「そうじゃ、だからな」
そうした者達だからだというのだ。
「わしもじゃ」
「殺していくんだな」
「そういうことだね」
「左様じゃ」
「そこは博士だな」
「何か暴れる小悪党が嫌いなんだよね」
チーマーやヤクザ者や暴走族、海賊達がというのだ。
「それでそうした連中はね」
「趣味で殺していくな」
「わしの趣味の一つに殺人があるが」
言うまでもなく犯罪である。
「誰でもよくはない」
「一般市民絶対に殺さないしな」
「そうした人達の命は奪わないよね」
「それこそ何があってもな」
「一般市民やお巡りさんや軍人さんは殺さないね」
「わしが殺す相手は決めておる」
あくまでというのだ。
「そうした小悪党だけじゃ」
「チーマーとか海賊とか」
「そんな連中だけなんだ」
「左様、生まれた時からそうしておる」
二百億年の間というのだ。
「そこは断じてじゃ」
「崩さない」
「守っていくんだね」
「マッドサイエンティストは自分のルールを守る」
絶対にという言葉だった。
「法律は無視してもな」
「自分が決めたルールはなんだな」
「守ってじゃ」
そうしてとだ、ライゾウに対して話した。
「何でもやっていくものじゃ」
「アウトローの価値観ってことか」
「マッドサイエンティストはアウトローじゃ」
その通りだとだ、博士はライゾウに答えた。
「これ以上はないまでのな」
「それでアウトローはか」
「無法者ではあるが」
アウトローつまり法律の世界にいない者だというのだ。
「しかし美学があるのがじゃ」
「アウトローか」
「本物のな」
それでというのだ。
「そしてわしも美学があってな」
「それでか」
「わしは絶対にじゃ」
「自分のルールは守るか」
「何があってもな」
ライゾウにオートミールを食べながら話す。
「そうしていく」
「それで一般市民とかはか」
「殺さぬ」
絶対にというのだ。
「危害も加えぬ」
「迷惑はかけてもか」
「それはせぬ」
「それが博士の美学か」
「その通りじゃよ」
「博士は確かにとんでもない人だよ」
タロはそこははっきりとその通りだとした。
ページ上へ戻る