八条学園騒動記
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第五百三十九話 帰りの旅その十
「絶対にじゃ」
「言わないね」
「何度も言うがな、そして予言の本を書く者の中には」
「嘘を吐いて不安を煽って本を売ってか」
「儲けておる小悪党もおるが」
それでもというのだ。
「しかしじゃ」
「嘘と自分では思っていねえか」
「そうした者もおる」
まさにというのだ。
「あ奴然りな」
「嘘は自分が嘘と思わないとか」
「嘘じゃないのじゃ」
「そのことよくわかったぜ」
「それは何よりじゃ、しかしこの酒は美味いのう」
博士はナッツを肴にブランデーをロックで飲みつつそちらの話もした。
「どんどん進むわ」
「さっき牡丹鍋と一緒に飲んでか」
「もう飲んでるね」
「さっき日本酒しこたま飲んでな」
「今度はブランデーなんだ」
「今日はどんどん飲める」
そちらの調子がいいというのだ。
「だからじゃ」
「日本酒おいら達と一緒に樽空けてか」
「その後でだね」
「ブランデーもか」
「空けるんだ」
「そうする、一本空けて」
そうしてというのだ。
「寝る」
「起きたら絶対に二日酔いだな」
「鉄板だね」
二匹は博士の話を聞いて述べた。
「これだけ飲んだらね」
「そうならない筈がないよな」
「その時はその時じゃ」
博士の返事は悪びれないものだった。
「風呂に、サウナにも水風呂にも湯の風呂にも入ってな」
「そうしてか」
「お酒を抜くんだね」
「というかこのメカサウナもあるのかよ」
「居住設備いいね」
「そうしたことも考えてな」
そうしてというのだ。
「設計し開発、建造した」
「そこ博士らしいな」
「洒落っ気のあるところとかね」
「ストイックじゃないんだよな」
「楽しむんだよね」
「うむ、宇宙の旅も楽しんでな」
そうしてというのだ。
「過ごす主義だからな」
「サウナまで造ったんだな」
「それで置いているんだね」
「そうじゃ、朝どういった二日酔いでも」
例えそうであってもとだ、博士はブランデーを飲みつつ二匹に話した。
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