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八条学園騒動記

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第五百三十九話 帰りの旅その八

「さっき話に出た一万人委員会とかのう」
「裏から世界を動かしてるんだよな」
「人類社会をね」
「連合だけじゃなくて」
「もう人類社会全部をね」
「そんな組織はない」
 博士は言い切った。
「わしは人類社会の隅から隅まで知っておるが」
「だから言えるんだな」
「うむ」
 こうライゾウに答えた。
「断言出来る」
「そうした組織はねえか」
「都市伝説じゃ」
 それの類だというのだ。
「あくまでな」
「それでかよ」
「そんな組織はなくな」
「陰謀もか」
「ない、確かに優れた諜報網を持つ組織はあるが」
 それでもというのだ。
「別にじゃ」
「世界を影で操るとかか」
「そんな組織はない」 
 博士はまた言った。
「一つもな」
「そうなのかよ」
「それでじゃ」
「一万人委員会もかよ」
「なくてじゃ」
 それでというのだ。
「陰謀もなくてな」
「世界を滅亡させようとかいうこともか」
「ないのじゃよ」
「全部嘘か」
「嘘ではない、創作じゃ」
 そちらになるとだ、博士はライゾウに話した。
「あくまでな」
「嘘じゃねえのかよ」
「創作じゃ」
 あくまでそちらだというのだ。
「都市伝説のな」
「それかよ」
「都市伝説は嘘ではない」
「創作なのかよ」
「口裂け女の時から話が出てな」
 そうなってというのだ、尚口裂け女は岐阜県から話が出て来てそうしてそこからどんどん話が大きくなっていったのだ。
「創作がどんどん入ってな」
「それでかよ」
「今も残っておるが」
「今じゃ連合中に出て来るな」
「あれもじゃ」
「創作かよ」
「創作に創作が加わってじゃ」
 そうなってというのだ。
「今に至る、つまりな」
「都市伝説は創作かよ」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「嘘ではないのじゃ」
「嘘と創作は違うんだな」
「そういうことじゃ」
「成程な」
「それで予言もな」
 今の主題であるこれもというのだ。
「本も出ておるじゃろ」
「かのシャバキさんも沢山出してるしね」
 その本をとだ、タロが話した。
「それは」
「あ奴も創作をしておる」
「そうなるんだ」
「確かに電波の垂れ流し、妄想を喚いて書き殴っておるが」
 それでもというのだ。
「それはじゃ」
「創作なんだ」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
 
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