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八条学園騒動記

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第五百三十九話 帰りの旅その六

「あれこれこじつけて経済が崩壊するだの言ってな」
「それで本を買わせて」
「セミナーとかも開いて」
「そうしてか」
「お金を儲けているんだ」
「海援隊と言ったが坂本龍馬は立派であった」
 彼はというのだ。
「わしはこの者とも戦ったが」
「本当に博士色々な人と戦ってるな」
「龍馬さんともなんて」
「ある意味凄いな」
「伊達に長生きしていないね」
「剣術は見事で頭の回転も早くてな」 
 それでというのだ。
「視野も広く柔軟な考えが出来て」
「しかも器も大きい」
「そんな人だよね」
「そうであったが」 
 龍馬はそうであったがというのだ。
「しかしじゃ」
「その新海援隊とかはか」
「詐欺師なんだね」
「名前を使っておるだけでな」
 それに過ぎないで、というのだ。
「その実は全く違う」
「海援隊とは」
「そんなところなんだね」
「そうした連中もおる、確かにシャバキは騒がしいが」
 このことは事実でもというのだ。
「しかしじゃ」
「そんなことはしないからな」
「自分からもっともそうな名前の組織立ち上げてね」
「人の不安を煽って金儲けをするとか」
「そうしたことはしないね」
「あ奴は本気で思っておるのじゃ」
 シャバキの場合はそうだというのだ。
「人類は滅亡するとかな」
「あいつの中ではそうなんだな」
「そうなるんだね」
「それであいつはそれを感じ取って」
「世の中に言っているんだ」
「確かにあ奴は狂気の中におる」
 このことは間違いないというのだ。
「それは事実じゃ」
「キチガイなのは一目瞭然だからな」
「あの発言聞いていたらな」
「電波を受信どころか自分で発してるよな」
「そんな人だね」
「しかし悪意はないしじゃ」
 これはないというのだ。
「金儲けもせん」
「だよな、そこはな」
「何があってもしないね」
「それこそ蛙を見ても人類滅亡だけれどな」
「ノストラダムスとか一万人委員会とか他の知的生命体とか」
「地震とかブラックホールとか宇宙怪獣とか」
「異次元からの侵略者とかもあるけれど」
 シャバキが言う人類滅亡のシナリオは多い、もっと言えばその都度そのシナリオが違ったものになっている。
「それでもね」
「それで金儲けはしねえな」
「お金には興味ないよね」
「どう見てもな」
「あ奴は腹黒くはない」
 博士から見てもだ。
「陰湿でも姑息でも卑怯でも卑劣でもなく」
「ただのキチガイってことだな」
「要するにそうだね」
 二匹もそれで納得した。
「性格自体は悪くない」
「歪んでもないんだな」
「ただ狂っておるだけじゃ」
 それに過ぎないというのだ。
 
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