| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百三十九話 帰りの旅その五

「解決案を出さぬとどうなる」
「読んでいて不安になるばかりで」
「そしてじゃ」
 博士はさらに話した。
「数年後そうした者の本を読む」
「数年後?」
「そうすれば外れていたりしてじゃ」
 そしてというのだ。
「間違いだったとわかってな」
「そいつの本性がわかる」
「そうなんだね」
「そうじゃ、不安を煽る輩はその主張を確かめて」
「そし後になって読んでもか」
「わかるんだ」
「そうじゃ、経済崩壊だの人類滅亡だのな」
 言うことは色々でもというのだ。
「それで煽っても所詮は煽るだけだとじゃ」
「それまでか」
「終わりなんだ」
「それでか」
「博士も放っておくんだ」
「こじつけや言い掛かりは何とでも言える」
 博士は二匹にこうも話した。
「しかし所詮は詭弁じゃ」
「それでか」
「詭弁に過ぎないから」
「真実がわかってな」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「わかってか」
「そしてだね」
「そのうえでか」
「全部わかるんだ」
「そしてじゃ」
 博士はさらに話した。
「歪んだ地図は捨てられるしのう」
「ああ、出鱈目な主張もな」
 ライゾウも述べた。
「捨てられるか」
「そういうことじゃ」
「出鱈目なことばかり言って煽っていてもな」
「それだけだからな」
「成程な」
「わかったのう、わしがそうした連中を相手にせん理由は」
「よくな、放っていても自滅するか」
 博士は考える顔になって述べた。
「そんな奴は」
「シャバキを見てもわかるであろう」
「ああ、誰も言うこと信じてねえな」
「不安を煽るばかりの奴はそれが天然でも悪意があっても商売でもじゃ」
 理由はどうであれというのだ。
「わかる。ただ悪意ある商売はな」
「人の不安を煽ってか」
「これはわしは殺さぬが」
 それでもと言うのだった。
「嫌いではある」
「博士人の不安煽るとかしねえしな」
「そういうのは絶対にしないからね」
「だからか」
「余計になんだね」
「嫌いじゃ、そうした奴は新海援隊とか自称するが」
 それでもというのだ。
「その実はじゃ」
「詐欺師か」
「そうに過ぎないんだね」
「こうした奴のセミナー等は高額でじゃ」
 そしてというのだ。
「中身がなく何とかしてな」
「人から金を搾り取る」
「そんなものに過ぎないんだ」
「経済のことを語っておる様だが」
 その様に見えるが、というのだ。
「その実はじゃ」
「経済とかはか」
「話してないんだ」
「何度も言うが不安を煽っておるだけじゃ」
 それに過ぎないというのだ。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧