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八条学園騒動記

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第五百三十九話 帰りの旅その四

「箸が転がっても人類滅亡の序曲じゃ」
「生きていて何なんだよ」
「あ奴は喚く為に生きておる」
 シャバキ、彼はとだ。博士は落ち着いた声で二匹に答えた」
「自分ではわかっておらんが」
「というかあの兄ちゃん人る滅亡を感じてな」
 ライゾウは彼について根幹を尋ねた。
「動いてねえだろ」
「普通そこでどうして滅亡を逃れるか考えるよね」
 タロもそこを言う。
「よく連合とか各国の何処かの国の経済が崩壊するって本あるけれど」
「そうした本言うけれどな」
「ちゃんと最後は解決案出すよね」
「自分の説をな」
「そうだよね」
「そうした本でも煽るだけの本はある」
 こうした書は二十世紀後半の日本では予言の本にも多く存在した、経済でも国際関係でもそうであった。
「そうした本は悪書じゃ」
「あの兄ちゃんみたいなものか」
「要するに」
「煽れば本は売れる」
 博士はこの事実も指摘した。
「それで儲けるのじゃ」
「人の不安煽って儲けるってな」
「結構悪質だよね」
「それを確信犯でやる奴は小悪党じゃ」
 博士は断言した。
「所詮な」
「小悪党だったらな」
「博士が殺す相手じゃない」
「けれどそうした小悪党は殺さないよな」
「街のヤクザ屋さんとか不良ばかりで」
「そんな奴はやがて煽ってるのがばれてじゃ」
 そうなってとだ、博士は二匹に話した。
「本も売れなくなる」
「そうなるからか」
「いいんだ」
「そうした奴は本が売れなくなれば終わりじゃ」
 それでというのだ。
「だからじゃ」
「博士も相手にしないか」
「そうなんだ」
「人は愚かであるが聡明でもある」
 その相反する面が同時にあるというのだ、その中に。
「それでじゃ、やがて正体がわかってじゃ」
「詠まれなくなるか」
「そうして終わるから」
「それでいいんだ」
「博士としては」
「うむ、放っておいてもじゃ」
 やがてはというのだ。
「終わる様な奴は相手にせんわ」
「博士にしても」
「そうなんだね」
「あ奴にしてもな」
 シャバキ、彼もというのだ。
「誰かあ奴の言うことを信じるか」
「そんな奴いないだろ」
 ライゾウは博士の今の言葉に即座に答えた。
「小学生か小学生並じゃないとな」
「そうであろう」
「だからな」
「博士もか」
「そんな奴はな」
 それこそというのだ。
「わしも殺すことはせん」
「あの人の言うこと真に受けたら」
 どうなのかとだ、タロは言った。
「人類何度滅亡してるか」
「わからんのう」
「それこそ何十回とね」
 それだけというのだ。
「滅亡していて」
「訳がわからんが」
「訳のわからないことを言う人は」
「そのうち出鱈目さがわかってな」
「終わりだね」
「何でもかんでも滅亡だの崩壊だの言ってじゃ」
 そうしてというのだ。
 
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