八条学園騒動記
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第五百三十九話 帰りの旅その一
帰りの旅
博士とライゾウ、タロはデザートを食べ終えると店を出た。この時博士は店の人に会計の時料金と共にお札を何枚か余分に出した。
そのお札を見て会計のお店の人は言った。
「まさか」
「所謂チップじゃ」
それだとだ、博士は答えた。連合全体で広くある習慣だ。
「それじゃ」
「これだけいいのですか?」
「紳士でありたい者ならな」
ここでも博士は自分の考えを話した。
「あるならばじゃ」
「お金がですか」
「その時は弾む」
「チップもですか」
「そうするものだからじゃ」
そう考えているからだというのだ。
「遠慮は無用じゃ」
「有り難うございます」
「そしてわしは幸い金は持っておる」
錬金術の賢者の石で黄金も宝石も幾らでも出せるのだ、その為博士が金で困ったことは一度もない。
「だからじゃ」
「これだけですか」
「貰っておいてくれるか」
「貰えと言われたら」
それならとだ、お店の人は博士に答えた。店の方としてはだ。
「喜んで」
「ではな」
「はい、頂きます」
「お店の人で分けるな」
「チップは」
臨時ボーナスの様な者として店の者で公平に分ける、このことは連合中央政府でも各国政府でも法律で定めている。
「そうさせてもらいます」
「ではな」
「はい、これはですね」
「受け取ってもらう」
「有り難うございます」
「ではまたな」
博士はお店の人に別れの言葉を告げた、そうしてだった。
二匹と共に店を出てすぐに博士に言った。
「ではな」
「今からか」
「メカラドンを呼ぶんだね」
「そうする、来るのじゃ」
博士は言うと一瞬でだった、上空にメカラドンが出て来た、二匹はそのマシンを見て博士に言った。
「一瞬で来たな」
「来いって言ったら」
「もっと離れた場所にあっただろ」
「ワープしてきたの?」
「実はワープ機能もある」
博士は二匹にすぐに答えた。
「それでじゃ」
「今みたいにか」
「一瞬で来たんだ」
「わしが呼べばな」
それでというのだ。
「そうしてくれる」
「中々便利だな」
「便利っていうかいいね」
「そうしてすぐに来られるなら」
「移動も楽だね」
「そしてわしの脳波にも反応し」
そうしてというのだ。
「一瞬で来るのじゃ」
「博士が呼べばか」
「それでなんだ」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「来てくれるのじゃ」
「便利だな」
「そうだよね」
「博士らしい改造だしな」
「呼べば一瞬で来るとかね」
「さもないとじゃ」
呼べば一瞬で来ないと、というのだ。
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