八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十九話 合気道をしてもその十一
「本当に」
「嫌なお話ですね」
「身の用心も必要だよ」
「折角正しいことをしても」
「後もちゃんとしないとね」
「駄目ですか」
「けれどカツアゲを止めてあんな下衆を成敗したことは」
このこと自体はだ。
「とてもいいことだよ」
「そのことはですね」
「そのいいことをいいことで終わらせる為に」
「用心はですね」
「必要だよ」
「それをしてこその合気道でしょうか」
「そうなるね、酷い奴はいるから」
悪人がだ。
「だからね」
「そこは、ですね」
「用心もして」
「やっていくことですね」
「そうだよ、本当にその先輩にはね」
くれぐれもだ。
「今後も用心して欲しいよ」
「それでは私からも」
「お話してね」
「わかりました、後で」
「すぐにね」
「そうします、それと」
「それと?」
「私実はです」
ここで円香さんは僕に顔を向けてこうも言ってきた。
「はじめてお付き合いする人が出来ました」
「へえ、そうなんだ」
「はい、実は」
僕に顔を赤くさせて言ってきた。
「そうなりました」
「そうなんだね」
「驚かれないですね」
円香さんは僕のその顔を見て意外といった顔になった、そのうえでの言葉だった。
「私にそうした人が出来ても」
「意外でもね」
「思われないですか」
「僕達の歳だとね」
高校生そして中学生でもだ。
「こうしたことはね」
「普通にですか」
「あるからね」
それでだ。
「だからね」
「驚かれないですか」
「そうだよ」
円香さんには言わなかったけれど最近の八条荘の皆はどんどん交際相手の人が出来ていっている、この文化祭の時に。
「あることだから」
「誰にもですか」
「うん、例えばさっき話した少年院に送られた」
「とんでもなく性格も行ないも悪い」
「そんな奴でも相手の人出来るから」
「そういえばそうですね」
円香さんも僕の今の話に頷いて言った。
「子供を虐待する親も」
「相手の人がいるよね」
「そうですね」
「奥さんや子供にとんでもない暴力振るう人でも」
それが連れ子の子、自分の血がつながっていない子でも同じだ。どちらにしても小さい子供だから同じだ。
「相手出来るからね」
「あのことは不思議ですね」
「最悪な奴でもだね」
「交際出来て結婚出来ることは」
「そのことはね」
実際にだ。
「巡り合いだし。それに」
「それにといいますと」
「人を見る目がない人もいるし」
一目見ただけでチンピラとわかる様な奴でも付き合い人はいる、人は見かけで判断したらいけないけれど見ただけでわかる様な奴もいるしそいつの行いを聞けば尚更だ。
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