| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百四十九話 合気道をしてもその三

「あってはならないことです」
「受け身知らない人を床の上で投げるとか」
「死んでもおかしくないです」
「そうだよね」
「受け身を知らないということは」 
 このこと自体がというのだ。
「安全に身を守れないので」
「死んでもおかしくないね」
「そして柔道では畳の上で行います」
「それは絶対0だからね」
「若し床でやれば」
「怪我するよね」
「畳は投げられた衝撃を抑えてくれます」
 クッションの役割を果たしてくれるのだ。
「ですから」
「普通はね」
「背負い投げを相手にするなら」
「受け身を教えてね」
「畳の上で行います」
「それが普通だね」
「その先生がしたことは暴力です」
 これに過ぎないというのだ。
「間違っても武道ではありません」
「というか剣道で人投げるのかな」
「そうした過激な稽古もあるかも知れないですが」
「それでもだよね」
「受け身を知らない相手を床の上で投げるなぞ」
「危険なことこの上ないよね」
「そんなことをする先生は」
 円香さんは怒って言った。
「即刻剣道を辞めて教職もです」
「そっちもだよね」
「辞めるべきです、教師ではなく」
「ヤクザ屋さんだね」
「関西にはそうした先生が多くて奈良でも」
 円香さんの故郷でもというのだ。
「目立ちますが」
「そうした先生が首にならないんだよね」
「それが問題です」
「さっき留美さんとその話したけれどね」
「あってはならないです、武道の心なぞ」
 それこそというのだ。
「最初からない」
「そんな人だね」
「そうとしか思えないです」
「その先生どんな教育受けたか」
「それすら不思議です」
「本当に家がヤクザ屋さんだったのかな」
 若しくはそんな風な家にいたかだ。
「学校の先生になるまでとんでもない人生歩んだとか」
「暴力三昧の」
「そんなのだったかな」
「そうでもないとですね」
「人にそんなことしないよね」
「行っていいことと悪いことがあり」
 そしてというのだ。
「暴力は」
「もう言うまでもないね」
「悪いことの最たることの一つです」
「そうだよね」
「蛮人のすることです」
 まさにというのだ。
「それは」
「その通りだね」
「自分が殴られたり蹴られたりすればどうか」
「罵られたりね」
「そうしたことも考えられないで」
「受け身知らない人を床で背負い投げするとか」
「一般社会ではどうか考えれば」
 そんなことをすればだ。
「普通にわかりますよね」
「即刻傷害罪だね」
「いつも師範に言われています」
「合気道部の」
「はい、合気道は自分から攻めない」
 これは絶対のことだ。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧