八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四十九話 合気道をしてもその二
「そのままです」
「寝てしまうんだね」
「いつも。授業が終わって」
そうしてというのだ。
「目を閉じれば」
「休み時間でも」
「もうすぐに」
それこそというのだ。
「寝られます」
「いい体質だね」
「そうですね、すぐに寝られると」
「それだけでね」
「有り難いですね」
「僕もすぐに寝られる方だけれど」
それでもとだ。
「円香さんはもっと凄いね」
「子供の頃からです」
「すぐに寝られるんだ」
「気を抜いて目を閉じたら」
もうそれでというのだ。
「そうなります、ですから」
「道場を出たら」
「ほっとなります」
つまり気を抜くというのだ。
「そうなりまして座って」
「目を閉じてだね」
「気を抜きましたら」
「だから今はだね」
「気を張っています」
今の様にというのだ。
「そうなります」
「だといいけれどね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「合気道は投げて受けますので」
そうした武道だからだというのだ。
「本当にいつも気を張っていませんと」
「怪我するよね」
「柔道と同じで」
「そうだね」
「柔道と違って自分から投げませんが」
それでもというのだ。
「投げて投げられてですから」
「緊張は絶対に必要だね」
「はい、しかも」
円香さんは僕にさらに話してくれた。
「相手のことも考える」
「合気道にはだね」
「それも大事です」
「そうだよね、相手を投げるとね」
「怪我をさせる危険がありますので」
「相手が若し受け身とか知らなかったり」
それにだ。
「固い床の上とかだとね」
「絶対に投げてはいけません」
「そうだよね」
「合気道は形ですし」
自分から投げず相手から来たのを受けて投げたりする、それが合気道だ。攻撃性を排除している言うなら専守防衛の武道なのだ。
「若し自分から投げたら」
「もうその時点でだね」
「合気道ではないです」
「そうだよね」
「剣道で受け身を知らない生徒を床で背負い投げした先生がいるそうですが」
「うん、剣道でね」
「これはもう」
円香さんはどうかという顔で述べた。
「剣道ではないです」
「剣道で背負い投げ自体がね」
「柔道でもです」
この投げる武道でもというのだ。
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