夢幻水滸伝
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第百十四話 朝に急変その六
「世の中」
「それで日本の先生、そしてマスコミにもな」
「多いんやな」
「そういう奴がな」
「そういう連中は近寄らずにか」
「反面教師にすべきや」
マスコミにしても学校の教師にしてもというのだ、マスコミも権力者だが教師も子供達を教え学校では預かっている、そうした意味で権力者だ。権力は国家権力だけではないということの証左でえある。
「僕はほんまそう思うわ」
「まあ悪事働いてな」
そしてとだ、トウェインも言った。
「お咎めなしやとな」
「腐るな」
「腐った奴がそのままおるさかいな」
「それでや」
「日本のマスコミや学校の先生の世界はか」
「そうなってるんや」
中里は酒をまずそうに飲みつつ言った。
「これがな」
「腐りきった世界か」
「そや、ほんまにな」
「嫌な話やな」
「日本のな」
「何処の国にも嫌な面はあるわ」
それは仕方ないとだ、シェリルは述べた。
「そこを改善していくことね」
「それが大事やな」
「ここはね、しかし」
「しかし?」
「そうしたお話はすぐには解決しないから」
一朝一夕にはというのだ。
「だからね」
「それでやな」
「今はこうしてね」
「飲んで食ってか」
「楽しむことよ」
「それが一番やな」
「ええ、それと私がふと思ったことは」
シェリルは自分の杯に自分で酒を入れつつ話した。
「これは来日してから思ったことだけれど」
「何や?」
芥川がシェリルに尋ねた。
「それは」
「いえ、日本ではお魚をよく食べるわね」
「そして鍋にもするな」
「お肉も食べるわね」
「牛や豚、鶏ってな」
「こうして鴨も食べるわね」
「それでもやな」
ここから先のことはだ、芥川は察して述べた。
「羊の肉はな」
「食べないわね」
「馴染み薄いな、実際」
「美味しいのに」
シェリルはこのことを少し残念そうに述べた。
「何故あまり食べないのか」
「そう言うてもな」
それがとだ、芥川は言うのだった。
「日本やとな」
「羊は、なのね」
「あまり食わんな」
「お鍋にもしないわね」
「それで平城京でもやな」
「羊を食べていないから」
それでというのだ。
「そろそろね」
「食いたいか」
「そう思ったけれど」
「ほな今度は羊のしゃぶしゃぶする?」
綾乃は今は葱や白菜を食べつつ言った。
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