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夢幻水滸伝

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第百十四話 朝に急変その七

「そうしよか」
「そうしてくれるの」
「今度この顔触れで食べて飲む時は」
 その時はというのだ。
「そうしよか」
「そうしてくれたら」
 シェリルは口元をほんの少しだけ綻ばさせて綾乃のその言葉に応えた。
「嬉しいわ」
「ほな今度は羊のしゃぶしゃぶやね」
「そろそろここでの会談も終わるしな」
 トウェインは外交のことから話した。
「その最後の宴にな」
「羊でな」
 綾乃はトウェインにも話した。
「しゃぶしゃぶしよな」
「しゃぶしゃぶは羊でも出来るな」
 リーはこのことに自分で考え自分で納得した。
「薄くスライスすればいいのだからな」
「というかほんま日本って羊あまり食べんな」
 羅から見てもだった、このことは。
「どうにも」
「そやな」
 メルヴィルは羅のその言葉に頷いて同意を示した。
「シェリルちゃんの言う通りな」
「美味いのにな」
「どういう訳かな」
「お魚や牛肉は食べてな」
「他のお肉もやけどな」
 豚肉や鶏肉もというのだ。
「あと馬肉もな」
「馬刺し美味いな」
「あれもな」
「馬刺しで一杯ってな」
 施は笑って言った。
「それもおつなもんや」
「そこは一杯やないでしょ」
 アレンカールはよく火が通った鴨肉の味を楽しみつつ施に問うた。
「そうでしょ」
「それはな」
「そうよね、お互いに」
「一杯どころかな」
「何杯もで」
「飲んでな」
 そしてというのだ。
「食べるのもな」
「そっちもね」
「たらふくや」
 そうなるというのだ。
「ほんまにな」
「そうよね」
「馬刺し以外の時でもな」
「お魚だけややなくてお肉も生で食べる」
 刺身にしてとだ、トウェインは豆腐を食べながら言った。
「それも日本ならではよね」
「確か鶏や豚も刺身にしていたな」
 リーは綾乃達に尋ねた、その手には杯がある。
「そうだったな」
「新鮮なお肉限定でな」
「やはりそうだな」
「あくまで新鮮なの限定やけど」
 それでもというのだ。
「豚肉や鶏肉もな」
「刺身にしてだな」
「食べるで」
「それも今度食してみたい」
 リーは謹厳な顔を綻ばさせて述べた。
「一度な」
「ほな羊のしゃぶしゃぶの時に」
「そうした刺身もか」
「出させてもらうわ、ただ」
 綾乃は考える顔でリーに応えた、酒は今も飲んでいる。
「何のお刺身か」
「そのことはやな」
「果たして何の肉でするか」
 このことはというのだ。
 
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