八条学園騒動記
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第五百三十八話 牡丹鍋と羊羹その十一
「そうなるな」
「実際にな」
「そうだよね」
「二百億年生きておるからな」
それだけにというのだ。
「明らかに人ではないからな」
「そうだよね」
「それは」
「じゃあな」
「孔子や孟子が言うのも合ってると言えば合ってるね」
二匹もそれならと頷いた。
「それでその人達とも戦った」
「そうだったんだな」
「孔子はじゃ」
博士はこの思想家の話もした。
「思想家というと学問ばかりだと思うじゃろ」
「それが違った」
「そうだったんだ」
「武人の家の出でな」
博士は二匹に孔子のことも話した。
「身長二メートルを超える大男であった」
「昔で二メートルってかなりだな」
「今も背は高い方だしね」
「それだけあったのかよ、孔子って」
「昔ならとんでもない背丈だね」
「だから人中随分目立った」
その長身故にというのだ。
「人の頭から胸辺りが見えた位だった」
「当時の人の背が一六〇ならそうなるか」
「それ位かな」
「まあ大体な」
「そんな大きさだね」
「うむ、しかも怪力の持ち主であった」
大男であっただけでなくというのだ。
「弓も上手であった」
「って思想家かよその人」
「その人も武人じゃないの?」
「さっき武人の出って言ったけれどな」
「その人そうだったんじゃ」
「家の血を引いてのことじゃ」
怪力の大男で弓に優れていたことはというのだ。
「とかく強い男であったわ」
「それでその孔子ともか」
「やり合っていたんだ」
「邪神だの言われながら」
「そうだったんだね」
「そうであった、儒学ではないが老子ともやり合った」
老荘思想、道教の開祖とされるこの人物ともというのだ。
「こっちは仙人であったのう」
「仙人ともやり合ってたのかよ」
「博士って本当に敵が多いね」
「昔からそうだったとかな」
「ある意味凄いね」
「わしは何時でも何処でも誰の挑戦でも受ける」
博士は今度はプロレスラーの様なことを言った、プロレスラーだけでなく格闘家もこう言ったことを言う。
「それでじゃ」
「孔子、孟子、老子ともか」
「戦ったんだ」
「他には荘子ともな」
この思想家とも、というのだ。
「戦っていたわ、思想家以外では項羽や劉邦ともな」
「戦ったのかよ」
「その人達とも」
「項羽も大男であった」
身長一八四を超えていたとも二メートルあったとも言われている。力は山を抜き気は世を覆うとまで史記にはある。
「そして強かった」
「項羽って滅茶苦茶強かったよな」
ライゾウもこのことは知っていた。
「そういえば」
「そうそう、中国の歴史最強だったね」
タロはライゾウの話に応えた。
「あの人は」
「自分だけでも軍勢率いてもな」
「桁外れに強かったね」
「その強さはわしから見てもじゃ」
博士は項羽と戦った時のことを思い出しつつ二匹に話した。
「軍神であったわ」
「その域かよ」
「そこまで強かったんだ」
「うむ、逆に劉邦は自分は然程でもなかったが」
それでもというのだ。
「家臣にいいのが多くな」
「強かった」
「そうだったんだね」
「うむ、しかし劉邦はのう」
博士は飲みつつ残念そうな顔になって述べた。
「皇帝になるまではよかったが」
「なってからはか」
「悪かったんだ」
「それまで極めて器が大きかったが」
それでもというのだ。
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