八条学園騒動記
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第五百三十八話 牡丹鍋と羊羹その八
「野上君どんどん食べるよね」
「パスタとかソーセージとかな」
「チーズもね」
「もうとにかくな」
「飲めばとことん飲むし」
「食う方もとことんだよな」
「そうだよね」
まさにというだ、二匹で話した。
「野上君ってね」
「飲むとそうなるな」
「リミッター外れて」
「もうどっちもとことんとなるな」
「酒池肉林じゃな」
ここで博士はこの言葉を出した。
「それは」
「ああ、酒も肉もたらふく食う」
「そうした酒池肉林だね」
「女の子達を侍らすんじゃなくて」
「そっちだね」
「酒池肉林は確かにそちらもあったが」
美女の楽しみもというのだ。
「しかし基本はな」
「酒と肉か」
「そっちだね」
「うむ、飽きるまである酒と肉でな」
「楽しむものだね」
「おなごはその次じゃ」
酒と肉のというのだ。
「なくてもよい」
「そうしたものだったんだ」
「色はな」
「それは特に博士にとってだね」
「うむ、わしは色には興味がない」
全くという言葉だった。
「それこそな、興味があるのはな」
「お酒とお肉だね」
「あくまでな、そして酒池肉林は」
この言葉を実現しようとすると、と言うのだった。
「今は簡単じゃ」
「こうしてな」
ライゾウは猪肉を食べつつ述べた。
「簡単にやれるよな」
「そうじゃ、それはあくまで昔の話じゃ」
「四千年前の話か」
「人類がまだ地球にありな」
そしてとだ、博士も猪肉を食べつつ応える。
「まだ電気はおろか鉄さえもじゃ」
「使っていない時代か」
「何もかもがない」
それこそというのだ。
「服もズボンすらない」
「おい、ズボンもかよ」
「スカートみたいな服でな」
「それ着て終わりか」
「そんな時代でな」
「もう未開の時代か」
「今のわし等から見ればな」
科学文明が発達し銀河にも出た時代から見ればというのだ、博士は宇宙旅行をした後だからこそ尚更話した。
「そんな時代の話でな」
「酒も肉もか」
「とんでもなく高価であった」
「それで酒池肉林はか」
「最高の贅沢とされておった」
「成程な」
「というかお酒のお池って」
タロはその酒を飲みつつ話した。
「種類とか柄にこだわらないとね」
「そうすればじゃな」
「もうね」
それこそとだ、タロは博士に話した。
「酒屋さん一軒でね」
「それ位の量はあるのう」
「そうだよね、お肉だってね」
「干した肉を木々に吊るしたのじゃ」
「干し肉位だし」
何でもないといった口調で述べた。
「そしてやっぱり種類にこだわらないと」
「肉屋一軒でじゃな」
「出来ないから」
「その程度じゃのう」
「大規模でも何軒かずつで」
「そうじゃ、そして個人かこうした家族で楽しむなら」
博士はタロとライゾウを家族として話した。
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