八条学園騒動記
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第五百三十八話 牡丹鍋と羊羹その五
「博士は出来るんだね」
「幾ら座っても痺れんしな」
「そのことも凄いね」
「座り慣れてるからな」
「それでだね」
「わしは平気じゃ」
長い時間正座をしていてもというのだ。
「別にな」
「それ何気に凄いよ」
「昔の日本では普通であったがな」
「今は違うけれどね」
「それでもな」72
「博士はだね」
「平気じゃ」
そうだというのだ。
「この通りな」
「昔から座って慣れていて」
「そうじゃ、本当に昔の日本はな」
まさにとだ、博士はさらに話した。
「正座が普通だった」
「そうだったんだね」
「今は皆椅子に座るかな」
「胡坐だね」
「それこそ武道や仏教やな」
「日本の宗教でないとね」
「正座はせん」
この時代ではそうなっているのだ。
「後は馬鹿な学校の教師が虐待でさせる」
「生徒にだね」
「体罰としてな」
「体罰自体がアウトだけれど」
「それがわからん奴が多いのがじゃ」
「学校の先生で」
「それでじゃ」
博士は話した。
「正座をさせるが」
「それアウトだろ」
「そうだよね」
二匹もそれはと言った。
「暴力はね」
「その時点でな」
「教育と言えば」
それでというのだ。
「暴力もじゃ」
「許されるってか」
「学校の先生の世界は」
「そうした世界じゃからな」
「そんな教師っているんだな」
「今も」
「うむ、それでも正座はな」
これ自体はというと。
「字の通りじゃ」
「正しく座る」
「礼儀正しい座り方だね」
「そうじゃ」
そうしたものだというのだ。
「そしてわしもじゃ」
「今は正座か」
「そうしているんだね」
「胡坐をかく時はそうして座るが」
「こうした時はか」
「正座だね」
「日本のこうした場所ではな」
畳の奥座敷ではというのだ。
「やはりじゃ」
「正座か」
「そうして座って」
「そしてか」
「食べるものだね」
「殆どの者は胡坐じゃが」
それでもというのだ。
「わしはな」
「あえて正座か」
「そうしてだね」
「食う」
「礼儀を守って」
二匹は博士の話を聞いて言った。
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