八条学園騒動記
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第五百三十七話 歓楽街は素通りしその六
「確実に潰れるな」
「そんなサイトすぐに人がいなくなるぜ」
ライゾウもその通りだと述べた。
「サイトなんて幾らでもあるからな」
「そうじゃな」
「小説サイトでもイラストサイトでもな」
「漫画サイトでもじゃな」
「利用者を無視すれば」
その様な運営、経営をすればというのだ。
「もう人がいなくなってな」
「利用者がおらんサイトなぞ意味がない」
「経営するとしたらな」
「サイトもそうでじゃ」
「お店もか」
「会社もな、それで三百年となるとな」
博士はまた話した。
「それこそじゃ」
「そうそうないか」
「味も悪くなく接客もでな」
「それで経営もだな」
「しっかりしておってな」
そうしたこと全てがしっかりしていてというのだ。
「お店も続くのじゃ」
「シビアだね」
「それが現実じゃ」
博士はタロにクールな声で答えた。
「まことに少しでも馬鹿なことをするとな」
「いいお店でもだね」
「潰れる、潰れなかったのは」
博士が言う馬鹿なことをしてもだ。
「二十世紀の日本のマスコミ位じゃ」
「マスコミはなんだ」
「当時は社員がどんな悪事をしても捏造記事を撒布してもな」
「潰れなかったんだ」
「今はそんなことをすればじゃ」
「捏造記事を書いたらね」
「それがばれたら即刻倒産じゃが」
勿論それで倒産するますこみ企業は多い、この時代ではそうした自浄作用がしっかりと働いているのだ。
「当時の日本はな」
「潰れなかったんだ」
「マスコミは嘘を言わないという都市伝説が信仰されておった」
この時代では誰も信じないことである。
「当時はな」
「そうだったんだね」
「それでじゃ」
「マスコミが嘘を言っても」
「誰も嘘と思わないでな」
それでというのだ。
「潰れなかった」
「新聞もテレビもだね」
「そうであった、もっとも二十一世紀になるとな」
世紀が変わると、とだ。博士はさらに話した。
「インターネットが普及してな」
「そうしてだね」
「マスコミの嘘が暴かれそのことが知識として広まり残ってな」
「そうなってだね」
「都市伝説は終わったのじゃ」
「マスコミは嘘を吐かないっていう」
「嘘を吐かないどころかな」
その真逆にというのだ。
「嘘ばかり吐く」
「そんなメディアもあったんだね」
「新聞も雑誌もテレビもな」
「どれでもだね」
「それこそじゃ」
「嘘を吐くところは吐き続ける」
「平気で捏造をしてじゃ」
二十世紀の日本ではこのことが特に顕著だった、とりわけ某新聞社はこのことで歴史に残っている。
「読者や視聴者を騙し自分の嫌う相手を貶める」
「企業倫理も何もないね」
「そうじゃ、わしも倫理なぞ知ったことではないが」
それでもというのだ。
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