八条学園騒動記
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第五百三十七話 歓楽街は素通りしその五
「似ておって当然じゃ」
「そうなんだね」
「それでじゃが」
博士はタロにさらに話した。
「ここの牡丹鍋は味噌味という」
「おっ、いいな」
味噌味と聞いてだ、ライゾウは思わず声をあげた。
「おいら味噌好きだしな」
「そうであるな」
「味噌なら何でもな」
ライゾウは舌なめずりをしつつさらに言った。
「大好きでな」
「それでじゃな」
「牡丹鍋だってな」
これもというのだ。
「味噌味だとな」
「大歓迎じゃな」
「特に猪は匂いがきついからな」
ライゾウもこのことについて話した。
「だからな」
「味噌で匂いを消すとじゃな」
「そうしたらいいからな」
だからだというのだ。
「おいらとしてはな」
「牡丹鍋は味噌か」
「ああ、お汁も美味いしな」
鍋のそれもというのだ。
「だからな」
「牡丹鍋は味噌か」
「それだよ、まあそうでなくてもな」
「味噌自体がじゃな」
「おいらは好きだぜ」
こう博士に話した。
「だから大歓迎だぜ」
「この度のことはか」
「そうさ、じゃあ食いに行こうな」
「それではのう」
「それでお店は何処かな」
タロは店の場所のことを聞いた。
「それで」
「うむ、あと少し歩けばな」
博士はタロのその問いにも答えた。
「右手に見えてくる、店の名前は厩橋という」
「お城みたいな名前だね」
「地齋に城の名前であった」
博士はタロが店の名前を聞いて言った言葉にすぐに返した。
「戦国時代上野にあった城じゃった」
「そうだったんだ」
「上野の要地でこの城を抑えるとな」
「上野で重要な地位を占められたんだ」
「関東全体でな」
上野どころかというのだ。
「それで取り合いにもなった」
「そうしたお城だったんだ」
「そしてここは上野星系であるからな」
「同じ上野だから」
「それでじゃ」
「お城の名前をお店の名前にしたんだね」
「そう店主が言っておる」
店の経営者がというのだ。
「出来て三百年という」
「老舗だね」
「店も続けようと思ってもな」
「中々そうはいかないね」
「中には出来てすぐに潰れる店もある」
このことは何時の時代でもだ、何かしらの問題があればそれで店は簡単に潰れてしまうものであるのだ。
「会社もそうであろう」
「お店も会社って言っていいしね」
「個人や家族経営のな、それで下手をすればじゃ」
「お店も潰れるからね」
「それで三百年続いているとなると」
「少ないよね」
「読者や作者等利用者を無視したサイトも同じじゃな」
博士はこちらの話もした、サイトも企業が経営することが多いからだ。
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