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ヘタリア大帝国

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TURN23 タイの話その一

                          TURN23  タイの話
 東郷と日本の耳にもだ。連合国が結成されたとの報告が入った。それを聞いてだ。
 東郷は海軍の司令部において秋山と日本にだ。こう言った。
「これで原始の八国は完全に二つに分かれたな」
「はい、連合と枢軸に」
「それぞれの陣営で戦うことになりました」
「数だけで言えば五対三だ」
 アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国にだ。日本、ドイツ、そしてイタリアだ。
 だが東郷は数よりもだ。力の差を言うのだった。
「国力差はどうにもならないな」
「そうですね。我が国の国力はガメリカの十分の一です」
 秋山は暗い顔で東郷のその指摘に応えた。
「中帝国のかなりの部分を占領している今も」
「ガメリカとの差はかなりだ」
「残念ですが」
「しかもガメリカだけじゃない」
 東郷はさらに言う。
「今現在も最大の国家エイリスも向こうにいる」
「エイリスの国力はガメリカ以上です」
 秋山はエイリスについても言葉を返した。
「衰えたりとはいえ。まだ人類最大の国家です」
「しかもソビエト。あの国の意図はわからないがな」
「一応中立不可侵条約を申し出てきていますが」
「それは結ぶべきだな」
 条約についてはだ。東郷は賛成した。だが、だった。
「しかし。何時その条約を破るかわからない」
「あの国はそういう国ですからね」
「ソビエトは共有主義を広める為なら手段を選ばない」
 そうした国だとだ。東郷は看破した。
「その為には国家間の条約の一方的な破棄もだ」
「彼等にとっては何ということはありませんね」
「賭けの連続だが一気にアラビアまで占領してだ」
 東郷はここでも己の戦略を秋山と日本に話す。
「ガメリカとの本格的な戦いに入りあの国と中帝国を倒す」
「一気に、ですね」
「太平洋を一気に掌握する」
 そしてだというのだ。
「ソビエトに備える。次はな」
「それが我が国の戦略ですね」
「時間的な余裕は少ない」
 東郷は言っていく。
「ドクツは間違いなくソビエトとの戦いに入るがな」
「勝てると思いますか?ドクツが」
「勝てるか、じゃない。負けた場合を考えてだ」
「最悪ケースを考えてですか」
「戦略を立てる。だからな」
「わかりました。それでは」
 秋山は東郷のその言葉に頷く。こうしてだった。
 日本帝国の戦略があらためて確認されもした。そしてだ。
 日本もだ。こう東郷に言ったのだった。
「では何はともあれですね」
「ああ、祖国さんにも頑張ってもらうがな」
「ガメリカ、そしてエイリスとの戦争ですね」
「中帝国は重慶で足止めだ」
 中帝国のことも忘れてはいなかった。
「そしてそのうえでだ」
「アラビア、太平洋をですね」
「一気に掌握しないといけない。忙しいな」
「私はまだアメリカさんや中国さんとはお話ができますが」
 しかしそれでもだった。日本の問題は。
「ですがロシアさんとはです」
「話ができないか」
「無理ですね」 
 日本とロシアの仲は悪い。お互いに激しい拒絶反応を持っているのだ。
「あの方とは日露戦争でも激しくやり合いましたから」
「しかも今は共有主義もあるからな」
「何としても。防がなければならないです」
「俺も祖国さんと同じ意見だ」
「そうですか」
「日本帝国の本当の敵は共有主義だ」
 帝を戴いている君主制国家であるだけにだ。それは尚更だった。
「あの国こそ。何とかしないとな」
「なりませんね」
「その通りだ。ソビエトとの戦いは腰を据えてやりたい」
 エイリスやガメリカとの戦いは一気に進めたいのと対象的に、だった。
 
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