夢幻水滸伝
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第百九話 鱈と共にその六
「まことに」
「そうでしょ、だから油断しないことよ」
「打てる手を全て打って」
ジオンゴも言った。
「そうしてですね」
「やっていくことよ」
「こちらの方が強くとも」
「ライオンはどんな相手にも全力で戦うわ」
このことも言うのだった。
「鼠相手にもね」
「鼠にも全力で向かい倒す」
「そうするから」
それだけにというのだ。
「あたい達もよ」
「枢軸には全力で向かわないとならない」
「まして相手は鼠ではないわ」
アレンカールはこのことについても述べた。
「ドラゴンと思っていいわ」
「そこまでの強さですか」
「そう、そこまで強いから」
それ故にというのだ。
「こちらが幾ら強くなってもよ」
「全力で戦って倒して」
そしてというのだった。
「降すべきですね」
「そういうことよ」
「相手を侮る奴は馬鹿だ」
酒を飲みつつだ、ゴーディマーが応えた。
「その時点で終わりだ」
「その通りね」
「棟梁の言う通りや」
まさにと言うのだった、アレンカール自身に。
「ロシアとインドの枢軸は強い、星の奴の数も少ないけどな」
「それでもね」
「全員が天の星でや」
「強力な子達ばかりだから」
「それでや」
だからこそというのだ。
「戦う時は絶対に油断出来ん」
「そうよ、そもそもあたいはね」
「敵にはやな」
「誰にも油断しないわ、あと人によって態度を変えることも」
「せんな」
「裏表を作るのは嫌いなのよ」
自分としてはと言うのだった。
「どうもね」
「それがええわ」
まさにとだ、ここで行ったのはシャーデーだった。
「裏表のある奴はそれだけでな」
「駄目よね」
「何ていうか信用出来ん」
「人によって態度をコロコロ変えていたら」
「悪い態度が素顔って思うわ」
「自然とそうなるわね」
人によって笑顔を見せてもというのだ。
「人の好き嫌いはあっても」
「嫌いな相手に露骨な態度示してもな」
「それと裏表はね」
「そこで人の前でそうした態度見せてもや」
それはと言うのだった。
「まだええけど」
「それでもね」
「裏表があるとな」
「どうかってなるわ」
「それでや、裏表がある奴はな」
「あたいはどうかと思うわ」
「私もや、しかし」
ここでまた言ったシャーデーだった。
「星の奴でそういう奴はおらんな」
「それぞれ個性的でもな」
それでもとだ、ゴーディマーはシャーデーに応えた。
「性格悪い奴はおらんな」
「幸いな」
「そら世界救おうと思ったらな」
「性格悪いと出来んな」
「その辺りわし等をこの世界に送った何かもわかってるんやろ」
「そういうことやな」
「その何かですが」
ここで言ったのはカマンダだった。
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