夢幻水滸伝
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第百八話 低い山なれどその九
「やはりな」
「子供は出来ないですね」
「そうだ、あとオークとハーフオークもだ」
「実は生物学的に違うので」
「ハーフオークはオークに似ている」
外見はというのだ。
「しかしだ」
「進化の過程でオークの姿が変わったのがハーフオークで」
「それでだ」
そのせいでというのだ。
「また違う種族になっていてだ」
「それで、ですね」
「また違う」
そうなっているというのだ。
「だからオークとハーフオークが結婚してもな」
「子供は出来ないですね」
「どうしてもな」
「何といいますか」
アグアルーザはその話を聞いて述べた。
「様々な種族が混在していても」
「それでもだな」
「子供は違う種族だと出来ないのですね」
「混在していても別なものは別だ」
「生物学的には」
「そこはだ」
まさにというのだ。
「また違う」
「何かサラダみたいですね」
こう言ったのはベッシーだった。
「同じ世界にいても別々だと」
「シチューでなくだな」
「はい、そちらですね」
こう吉川に言うのだった。
「何か」
「そうだな、サラダはそれぞれの野菜は分かれている」
「同じ容器に入っていても」
「そしてサラダという料理を形成しているが」
それでもというのだ。
「それぞれの野菜はそれぞれの味を出している」
「そのうえで一つになっていますね」
「そう考えるとな」
「この世界の人はサラダですね」
「まさにな、二割は人間だが」
人の全体のだ。
「それでもな」
「様々な種族が混在して同居していて別なものは別なので」
「それではな」
「サラダですね」
「シチュー、これは汁ものなら何でもだ」
吉川はあらためて話した。
「全て一緒に煮てだ」
「もう味も混ざりますね」
ヘッドも言ってきた。
「鍋ものでも」
「そうだ、それぞれの味に栄養素も出る」
「シチュー等はそうなりますね」
「だから違う」
そうした汁ものはというのだ。
「サラダとはな」
「そうですね」
「だからこの世界はな」
「むしろサラダですね」
「そう思う、そして野菜や果物が何十と入っている」
「随分と豪勢なサラダですね」
「これが幾つか位ならいがみ合うこともあっただろう」
「部族の様に」
苦い顔で言ったのはビークだった、カブトムシの目がそうなっている。
「アフリカの」
「起きた世界のアフリカでは多い話だな」
「国によりますが」
「今も部族同士での内戦があるな」
「そこに軍のクーデターやイスラム原理主義も入って」
「厄介な状況だな」
「どうしても」
ビークは苦い顔のまま話した。
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