八条学園騒動記
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第五百三十二話 有り得ない政府その一
有り得ない政府
トラップはマリアと共に歩きながらこんなことを言った。
「先程駄目な政府のお話をしましたが」
「それでもですか」
「連合でも失政はありますが」
その千年の歴史の中でそうした政権も中央政府や各国政府そして地方自治体の中で多く出てもいる。
「サハラの失政は」
「あの地域ではですね」
「中には凄いものがありますね」
「民主政治でもですね」
「あのハサン王国もそうでしたね」
「アッディーン大統領が司令官の時に勝った」
「はい、あの国も」
この国の王家は今は連合に亡命してサハラ連合王国の君主になっている。
「酷かったですね」
「確かナベツーラという人が」
「選挙で選ばれて」
そしてとだ、トラップも話した。
「そうしてです」
「政権に就いてですね」
「愚行の限りを尽くし」
そしてだったのだ。
「優勢でしたが」
「その優勢をですね」
「不意にする様な」
そうしたというのだ。
「人事、特に軍事で」
「それを行って」
「そしてです」
その結果だったのだ。
「戦争に敗れて」
「国を滅ぼしましたね」
「政治もです」
そちらもというのだ。
「マスメディアばかり優遇する」
「マスコミに支持されている政権だったので」
「その様にして」
そしてというのだ。
「その結果です」
「市民の為の政治ではなくなっていた」
「そうでしたから」
それでというのだ。
「あの国は敗戦し」
「滅亡しましたね」
「あれこそです」
「選挙で、ですね」
「何も考えずに投票し」
そしてというのだ。
「過ちを犯した」
「そうした事例ですね」
「ああしたことは」
「あってはならないですね」
「はい、まさにです」
トラップはさらに言った。
「民主政治の失敗の最たるものです」
「文字通りに」
「そうです、民主政治は一歩間違えると」
その時はというのだ。
「衆愚政治にもなります」
「よく言われていますいね」
「そしてそれは事実です」
誇張ではないというのだ。
「そのハサンもです」
「衆愚政治だったからこそ」
「滅亡しました」
この最悪の結果に至ったというのだ。
「愚かな政治家達を選挙で選んで」
「その結果でしたね」
「ハサン国民はマスコミの喧伝を鵜呑みにし過ぎました」
「あの国はネットが発達していなかったそうですね」
「建国当初電力が深刻な状況で」
それで電力を効果的かつ優先順位を考慮して使用いなくてはいけなかったのだ、その国それぞれで様々な事情が存在しておりハサンはそうした事情があったのだ。
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