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八条学園騒動記

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第五百三十一話 二人だけとなりその十二

「それでもです」
「されどとなりますね」
「はい、されど選挙です」
 そうも言えるというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「私は大事だと考えています」
「選挙については」
「はい、それに」
「それにですね」
「考えてです」
 そうしてというのだ。
「投票すべきです」
「間違えない様にですね」
「それは自分達に降りかかりますし」
 おかしな政府を選ぶとだ、トラップは前に話したことをそのまま話した。
「ですから」
「考えることですね」
「若し何も考えないで、です」
「投票するとですね」
「先程申し上げた通りです」
「おかしな政府で国が傾いて」
 マリアは自分から話した。
「そしてですね」
「はい、そのうえで」
 そしてとだ、また話したトラップだった。
「私達が苦労しますので」
「考えることですね」
「そして間違えれば」
「その時はまた考えて」
「選びなおすことです」
「そうすればいいですね」
「それが政治です」
 連合の政治だ、即ち民主政治である。
「そう考えています」
「そうなのですね、では」
「それではですね」
「これからもです」
 是非にと言ってだ、そしてだった。
 二人は庭の中をそうした話をしつつさらに歩いていった。二人のお見合いはまだ続いていた。穏やかな空気の中で。


二人だけとなり   完


                2019・7・9 
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