八条学園騒動記

「それで、でした」
「電力を制限していて」
「それで、です」
　そのせいでというのだ。
「あの国はインターネットがです」
「最初からですね」
「誰もが好きに電力を使うよりも」
　それよりもだったのだ。
「マスコミにです」
「電力が優先されて」
「そしてです」
　その結果だったというのだ。
「ネットが発達せず」
「マスコミが優先されて」
「その為マスコミに関わりの深い人物がです」
「マスコミに喧伝されてでしたね」
「人気を得て」
　その資質とは関係なくだ。
「選挙に勝ち」
「政権の座に就いて」
「あの様になりました」
「オムダーマンに敗れて」
「そして滅亡に至りました」
「あれこそですね」　
　マリアもトラップに応えて話した。
「それで、ですね」
「はい、選挙の選択は」　
　それはというのだ。
「やはり間違えますと」
「問題がありますね」
「自分達が不幸になります」
「それが自分達に返ってきますね」
「マスコミを信じてはいけないことは」
　トラップはこのことについても言及した。
「連合では常識ですが」
「マスコミこそですね」
「最も意図的な行動を取る社会ですね」
「はい、非常にです」
「情報を手に入れて」
　二十世紀は特に酷かったのだ。
「それを独占して」
「そしてでしたね」
「意図的に流していた」
「そうする存在なので」
　だからとだ、トラップはマリアに話した。
「注意して情報をチェックしないと」
「駄目ですね」
「さもないと騙されて」
「失敗しますね」
「そうなります、マスコミはです」
　何といってもというのだ。
「情報を独占し意図的に流し」
「それで権力を得ますね」
「そこからお金もです」
　広告料等でだ、その為マスメディアは非常に潤沢な資金を得ることも出来るのである。二十世紀は特に酷かった。
「手に入れて」
「それで余計にですね」
「権力を握っていきます」
　資金が権力をより強固なものにするからだ。
「そしてチェックすることは」
「マスメディアをですね」
「それが出来にくいので」
「しようにも」
「嘘も誇大に喧伝すれば」
　これもマスメディアがよくすることだ。
「それが真実となります」
「そうですね」
「そうです、ですから」
　それでというのだ。
「チェックもです」
「インターネットがなければ」
　この存在がマスコミの過ちをチェックして喧伝する、二十一世紀以降はこれでマスコミの権力を奪っていったのだ。