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八条学園騒動記

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第五百三十一話 二人だけとなりその七

「選びなおすことです」
「それもです」
「出来ますので」 
 だからだというのだ。
「民主主義はいいですね」
「間違っても選びなおせる」
「これが独裁政治や専制政治なら」
 どうなるかというと。
「選びなおせないです」
「そういえばサハラでは」
 マリアはこの国のことをここでまた話に出した。
「独裁国家や専制国家も多いですが」
「そうした国家の多くは腐敗してですね」
「そこから滅んでいますね」
「そうですね」
「最初はよくても」
「腐敗もしますね」
「そしてその腐敗からです」
「国が傾いて」
 そしてというのだ。
「滅んでいます」
「そうですね、まことに」
「ですから西晋もです」
 当時の中国は皇帝を頂点とする中央集権国家でありその統治システムは皇帝が治めるという形の専制政治であった。
「皇帝は何とかしようとしましたが」
「それよりも先にですね」
「滅んでしまったのです」
 そうなったというのだ。
「残念ながら」
「そうなったのですね」
「今の時代流石に飢餓状態に陥ることは」
 当時の晋の都の様にだ。
「ないですが」
「国は傾きますね」
「そうなりますので」
「だからですね」
「本当に政治は大事であり」
「選挙もですね」
「はい、本当におかしな政府では」
 そうした政府が政権を握ればというのだ。
「国も傾き」
「治安も悪くなり」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「財産も自分で守るしかなくなります」
「自分で守ることも大事でも」
「やはり政府がしっかりしていると」
 それで、というのだ。
「それに越したことはないですから」
「それが第一ですね」
「錦鯉を飼うにも」
「安全があってこそですね」
「そもそも余裕のない社会では」
 それこそというのだ。
「錦鯉に限らず娯楽自体が」
「ないですね」
「はい、娯楽はです」
「余裕がなくなれば」
「最初に消えていきます、安全でなければ」
 治安、それが悪化すればというのだ。
「やはり余裕がなくなり」
「そうした社会では娯楽もなくなって」
「錦鯉を飼う様なことも」
「なくなりますね」
「ですから安定した豊かな社会は」
 これがこの時代の連合であることは言うまでもない。
「錦鯉にも必要で」
「他の娯楽にもですね」
「必要です」
 こうマリアに話した。 
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