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夢幻水滸伝

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第百七話 若草山にてその九

「まさにな」
「他の者で」
「あってはならないしだ」
「してもですね」
「ならないことをしている者達だ」
 こう言うのだった、強い口調で。
「まことにな」
「その通りですね、それで」
 クルマも関西弁のニュアンスで述べた。
「それがし達としては」
「そうだ、戦をしてもな」
「国土も民も荒らさず」
「すぐに終わらせて」
 そしてというのだ。
「統一をするぞ」
「それがいいですね」
「そうそう、皆この平城京で親睦を深めてきれるし」
 アレンカールはこのことについても述べた。
「仲良くなってきてるわね」
「どの勢力の奴もええ奴や」
 こう言ったのはゴーディマーだった。
「ほんまに」
「そう、お互いの勢力同士の交流もね」
「していってて正解やな」
「あたい達もそれを勧めてるのよ」
「神星の子同士でもそのことをお話して」
「決めてやな」
「そうした交流も深めていってるのよ」
「それはわかるにしても」
 シャーデーはここでだった、吉川を見て言った。
「結構長く会議が続いてるけど」
「言いたいことはわかる」
 吉川はシャーデーに無表情で応えた。
「それはな」
「そうなの」
「会議をあえて長引かせてだな」
「色々日本の思い通りにしたいのね」
「その質問に答える義務はあるか」
「あっても答えないわね」
「私はもてなす側だ」
 それでということにするのだった、今の吉川は。
「外交を行ってはいない」
「そういうことね」
「今はそちらの仕事だからな」
「そうね、何も言わないわね」
「全くな」
 政のことはというのだ。
「そういうことだ」
「思っていた通りよ、けれどね」
「それでもだな」
「私が思うのは別にやね」
「誰が何を思うにしてもだ」
 それでもとだ、吉川はシャーデーの今の言葉にも応えた。
「別にだ」
「何も出来ないわね」
「他人はな」
「あんたも含めてね」
「だからだ」
「私が今こう言っても」
「私は何も言わないしだ」
 それにと言うのだった。
「何もしない」
「このことに関しては」
「そうだ、好きに思えばいい」
「そういうことね」
「まあ詮索はしないということで」
 カマンダが言ってきた、見れば体の動かし方に独特のリズムがあり少し滑稽な感じがするのは否めなかった。
「そうしたことについては」
「あえてやね」
「はい、外交そして交渉では」
「それを言わずやり取りをしていく」
「そうしたものなので」
 だからだというのだ。
「言わないでおきましょう」
「そういうことやね」
「外交はある意味ルール無用のポーカーです」
 カマンダは外交についてこうも述べた。 
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