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夢幻水滸伝

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第百七話 若草山にてその七

「統一が出来ん」
「そうした状況ですね」
「そやからな」
 それでというのだ。
「やるしかないわ」
「そうなりますか」
「自分が平和主義でもな」
「戦を避けたいと思っていても」
「時代の流れは時としてな」
「戦が避けられない」
「そんな時があって」
 ホンワナはさらに話した。
「それがな」
「今のこの世界の太平洋も然り」
「そういうことやろ」
「そうですか」
「そう、けれど出来るだけ戦禍を及ぼさない」
 アレンカールはここでまた言った。
「それを考えてね」
「一戦で、ですね」
「終わらせることにしようとしてるから」
「そういうことですね」
「正直星の子達でもね」
「誰もがですね」
「戦をしないで済んだら」
 それでというのだ。
「いいと思ってるわよ」
「私と同じで」
「そう、戦をしても戦禍が出て」
「国土が荒廃し」
「傷付く人が沢山出るわ」
「そして死ぬ人も」
「傷付いても死んでもこの世界はどうにかなるけれど」
 特に死んだ場合について考えつつだ、アレンカールは話した。
「それでもね」
「傷付く人が多く出るのね」
「しかも国力も消耗するから」
 戦は国力を非常に多く使う、このことはこの時代でも同じだ。
「だからね」
「戦はですね」
「一戦よ、あたい達神星の子達もね」
「十人の方々全員がですか」
「太平洋を荒れ地にするつもりないから」
「そうなのですね」
「そう、本当にお互い一戦ガツンとぶつかって」
 そうしてというのだ。
「勝ち負けで終わらせる」
「一度の決戦で」
「全力でぶつかって」
 お互いにそうしてというのだ。
「終わらせるつもりよ」
「そうですか」
「一度負けたらその勢力は終わり」
 覇権を争う戦から脱落するというのだ。
「それで最後まで勝ち残った勢力がね」
「太平洋、地下世界の覇者となって」
「中心になるのよ」
「そうなりますね」
「あたい達も国民も国土も負けても」
 それでもというのだ。
「別にね」
「危害は加えられず」
「地位もね、勝ち残った勢力の棟梁の子が太平洋と地下世界の棟梁になって」
 そうしてとだ、アレンカールは話した。
「その勢力の星の子達がとりわけ重要な地位に就くけれど」
「それでもですね」
「別にね」
 これといってというのだ。
「変わらないわよ」
「そうですか」
「まああれですね」
 関西弁のニュアンスで身体が透けたゴーストの男が言ってきた、見れば抗夫の服だ。地壮星ジマール=ファラーである。ソマリア出身で職業は服装からわかる通り抗夫だ、持っている神具はどちらも工業と仕事に閊えるフヌムの棒とマヘスの鎚だ。 
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