八条学園騒動記
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第五百三十一話 二人だけとなりその四
「間違っても獣がお庭に入って」
「食べようものならですね」
「それだけで一財産ものの損失ですから」
「そう考えますと」
「勿論獣への対策も重要です」
この中には猫も入る、鯉も小さいと猫に狙われたりするのだ。猫にしても金魚等を狙う訳ではないのだ。
「錦鯉を飼うなら」
「そうした獲物に狙われない」
「その様にすることも、まあ獣が家に入りますと」
「その時点で、ですよね」
「問題ですが」
そうなるというのだ。
「最早」
「それはそうですね、虎や豹がお家に入れば」
マリアは彼女の星で一番有名だった獣達を咄嗟に思い出して話した。
「それだけで大問題ですね」
「そうですね、まさに」
「私達が勤務している八条学園のある街にしても」
「自然はすぐ傍といいますか」
トラップはここでこう言った。
「街は自然の中にあります」
「自然の一部ですね」
「そこに人の手が加わった」
「それだけのものとですか」
「私は考えていますが」
これひゃトラップの考えだ、彼は自然とは世界の全てで街や人工のものひいてはそうしたものを生み出す人間は自然の一部に過ぎないと考えているのだ。
「その考えに従えば」
「街にですね」
「人がいるともです」
その様にというのだ。
「考えられるので」
「だからですね」
「はい、ですから街に獣がいても」
「あってはならないことではですか」
「なくて」
それでというのだ。
「それで家々で、です」
「獣の対策もですね」
「行うべきであり」
「ではお池も」
「当然ながらです」
そこに錦鯉の様な高価なものを飼っていればというのだ。
「対策はしておくべきです」
「そうなりますね」
「はい、恐竜なぞ出ては」
「恐竜が生息している惑星では」
「もうです」
それこそというのだ。
「厳重な対策が必要でしょう」
「恐竜は怖いですね、大型である分」
「人も結構な武器がなくては太刀打ち出来ません」
「豹や虎なら銃で対応出来ますが」
「恐竜になると銃では」
相手、つまり恐竜があまりにも巨大でだ。
「太刀打ちできないです」
「そうですね」
「銃弾なぞその分厚い鱗で弾かれます」
恐竜の鱗そして皮の硬さは鰐のそれ以上とされている。
「ですから」
「それで、ですね」
「とてもです」
それこそというのだ。
「ライフル銃程では」
「ビームガンでないとですね」
「倒せないです」
その分厚い鱗や皮を貫通出来るものでなければというのだ。
「恐竜は」
「それか砲弾でないと」
「倒せないので」
「恐竜についてはですね」
「そうした備えが必要で」
それでというのだ。
「お家を守るにも」
「厳重にですね」
「勿論市の行政でもです」
こちらでもというのだ。
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