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八条学園騒動記

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第五百三十一話 二人だけとなりその一

               二人だけとなり
 マリアはトラップと二人だけになった、その時にはお互い料理を食べ終えていた。ワインも飲み終えている。
 それでだ、トラップはマリアに笑顔で提案した。
「少し歩きませんか」
「このレストランの中をですね」
「このレストランはホテルの中にありますね」
 このことから言うのだった。
「それで立派なお庭もあるので」
「だからですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「お庭に出ませんか」
「いいですね、食べて」
 そしてとだ、マリアも笑顔で答えた。
「飲みましたし」
「少し歩きたくなりましたか」
「はい、そして歩くなら」
 それならというのだ。
「お庭がいいですね」
「そうですね、では」
「これからですね」
「二人で」
 それでというのだった。
「お庭を歩きましょう」
「それでは」
 二人で話してだ、そのうえで。
 実際に席を立ってそのうえで二人でホテルの庭に出た、その庭は日本の庭園でマリアはその庭に出てこんなことを言った。
「ステーキの後で日本のお庭というのも」
「どうでしょうか」
「面白いですね」
 トラップに笑顔で答えた。
「実は私は鯉が好きですが」
「錦鯉ですね」
「はい、あの奇麗な模様の鯉が」
「あの鯉ですが」
 その意識語彙の話をだ、トラップはした。見ればいい池があってその中に白や赤、金色に黒の様々な模様の鯉達が泳いでいる。
 その鯉を見てだ、マリアは話した。
「素晴らしいですね」
「日本人は鯉もですね」
「ただ飼うだけでなく」
「見事な模様にもした」
「まさに泳ぐ宝石ですね」
「高価ですし」
 この時代でも錦鯉は高いものだと相当な値段になる、一匹だけで高級車一台はある位のものであるのだ。
 それでだ、トラップも言うのだった。
「宝石と言われてもですね」
「不思議ではないですね」
「的を得ていますね」
 実際にというのだ。
「先生のお言葉は」
「一匹が高級車位ですと」
 それ位の値段ならというのだ。
「もうこのお池にいるだけ飼えば」
「もう一財産ですね」
「本当に」
「ですがそれだけの価値があるのがです」
「錦鯉ですね」
「そう言われていますね」
 この時代でもこのことは同じであるのだ。
「それで連合中で人気があり」
「高価なものは本当に高価ですね」
「驚くまでに」
「その鯉達もいて」
 ここで池を見るとだった。
 亀達もいた、ここでトラップは笑みを浮かべてこんなことを言った。
「亀もいますと」
「亀お好きですか」
「大好きです、風情がありますよね」
「日本のお池にいますと」
「鯉と共にです」
 その錦鯉達と、というのだ。
「日本のお池だと」
「そう思われますか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。 
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