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夢幻水滸伝

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第百七話 若草山にてその四

「あたい達がそうさせるわ」
「そうか、ではな」
「それを見てくれるのね」
「そうさせてもらう、統一してもな」
 それからのこともだ、吉川は話した。
「私も内政に参加している」
「それならよね」
「当事者としてもな」
「発展に寄与してくれて」
「そしてだ」 
 そのうえでと言うのだった。
「見させてもらう」
「それは何よりね」
 銀髪を肩の高さで切り揃えたアフリカのシャーマン、女のそれだが白と銀で脚や胸のところに灰色のタイツやアンダーを着けている氷の精霊の女だ。地威星フルル=パランギョである。タンザニア出身で職業はエクソシスト、持っている神具は己の知力を上げてくれもする武器アヌビスの杖とアンデットを自由に操れるセトのアンクの二つだ。
「私達としても」
「アフリカの発展はか」
「見て欲しいしや」
 フルルはいささか固いが関西弁であった、その口調で話す。
「それで内政に加わってくれるなら」
「そのこともだな」
「有り難いから」
 だからだと言うのだった。
「是非共」
「統一後はそうさせてもらう」
「一緒に内政を」
「是非な」
 吉川はフルルにも答えた。
「アフリカも発展させていこう」
「ほな」
「しかし」
 リザードマンの男だ、黄色のスーツにボルサリーノに赤のネクタイに白いブラウスと黒の皮靴という恰好だがスーツは神具でアンドレ=マツクのスーツでありステッキもやはり神具でパパ=ウェンバのステッキという。どちらも知力そして交渉力を上げてくれる。地猛星アンドレ=カマンダだ。コンゴ出身で職業は交渉人である。
「私が思うにこの世界は」
「何かあるか」
「多くの勢力に分裂していましたが」
 それでもとだ、カマンダは吉川に話した。
「どの地域もある程度の下地が出来ている」
「教育やインフラでか」
「はい、内政面でも技術でも」
「全体的にある程の下地が出来ていたか」
「そう見受けますか」
「そうだな」
 吉川はカマンダの言葉を否定せずに返した。
「私がはじめてこの世界に来た時も思った」
「既にでしたね」
「ある程度の下地が出来ていてだ」
「文明としてですね」
「それなりの状況だ」
「そこを見ますと」
 カマンダはさらに話した。
「この世界は先にです」
「誰かが治めていたな」
「統一して」
 そうしてというのだ。
「そうではないかと」
「そういえば欧州も」
 この世界では後進地域と呼ばれる地域もとだ、フルルも言ってきた。
「ある程度の下地が」
「出来ているな」
「そんな感じなので」
「言葉も貨幣も度量衡も同じなので」
 こう言ったのは鹿人、ガゼルの頭でカトリックのそれを思わせるが色は紫の法衣の男だった。地文星ウォーレ=アチェベである。ナイジェリア出身で職業は宣教師であり持っている神具はトトの書とオシリスの杖だ。どちらも知力と政治力を上げてくれる。 
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