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八条学園騒動記

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第五百三十話 考古学その十一

「そちらのコーナーはこれまで」
「博物館に来られても」
「これといって」 
 そちらのコーナーにはというのだ。
「入ってもです」
「ご興味はですか」
「実はあまりなくて」
 マリアはこのことは申し訳なさそうに答えた。
「それで」
「だからですか」
「はい、一度観て回っただけで」
「それ以上はですか」
「なくて」
 それでというのだ。
「あまり知りませんでした」
「あの時代のことも」
「そうでした、しかし」
「しかし?」
「そんなに面白いのですか」
「様々な技術や文化が各国から出て」
 そうしてというのだ。
「個性が凄いのです」
「カンブリア紀の生物の様に」
「これは例えですが」
 カンブリア紀の生物の様な、という言葉はというのだ。
「ですが」
「それでもですね」
「非常に個性的でまた多岐に渡っているので」
「あの頃は宇宙進出が軌道に乗り」
 先生が言ってきた。
「そして連合も建国当初で」
「まさにカンブリア紀の様な」
「そんな状況だったからですね」
「カンブリア紀は生物の進化の試行錯誤の頃だった」
「そうした説がありますね」
「はい、ですから」 
 このことはカンブリア紀の生物が存在している惑星で現地調査が行われそのうえで言われることもある。
「連合の建国当初は」
「様々な技術や文化が出て」
「哲学で言うと諸子百家や」
 トラップは思想の話も出した。
「古代ギリシアの様な」
「多岐なですね」
「思想的にもそうでしたし」
 その頃もというのだ。
「かなりです」
「面白い時代であって」
「考古学でもです」
「面白いのですね」
「そうした様々なものが」 
 実に多岐なものがというのだ。
「統合されていき標準化され」
「そしてですね」
「百年過ぎた辺りで」
 連合の建国からだ。
「連合初期の様な」
「そうした時代にですね」
「なりますね」
「考古学は」
 どうかとだ、マリアは今度はこの学問についても話した。
「連合建国当初も面白いのですね」
「しかも文献が豊富で」
「調べやすいのですね」
「そのこともあって学問的に発達もです」
「していますか」
「そうなっています」
「成程、私は考古学は」
 この学問はとだ、マリアはトラップに話した。
「これまで専門外だったので」
「お好きでもですか」
「それは限られた分野でした」
 古代のエジプトや中南米のものばかりだったのだ。 
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