八条学園騒動記
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第五百三十話 考古学その十
「色々とわかっています」
「そうですか」
「はい、そして」
そのうえでというのだ。
「色々わかっています」
「連合建国当初はそうなのですね」
「建国以前も」
丁度人類の宇宙進出の頃のことだ、この頃は人類が宇宙に進出したばかりで何かと試行錯誤も多かった。
そしてその頃の研究もというのだ。
「発掘されて」
「そうしてですね」
「研究されています」
「そうですね」
「そしてその頃のことも」
宇宙進出時代、連合の建国当初のこともというのだ。
「考古学としては」
「存在していますね」
「宇宙進出以前かその黎明期ですが」
トラップはこう前置きして先生にさらに話した。
「二十世紀、二十一世紀の頃も」
「文献が多く残っていて」
「その文献に従って」
人類の文献は十九世紀から飛躍的に増えていく、活版印刷に紙が本格的に商業化し大衆化した為だ。
「そうしてです」
「発掘をしていって」
「そしてです」
「色々なものがですね」
「発掘されてわかっています」
「そうなのですね」
「アステカやインカと違い」
それでというのだ。
「次から次にです」
「掘ればですね」
「わかります、ただ建国当初の連合は」
トラップはこの時代の自分達の国の話もした。
「かなり面白い国でしたね」
「そうですか」
「はい、カンブリア紀の様な」
「カンブリア紀といいますと」
マリアはトラップのその言葉を聞いて述べた。
「凄い生物がいますね」
「あの生物達が生息している星もありますね」
「はい、アノマロカリス等が」
「確かに私は生物学は専門ではないですが」
もっと言えば理系の学問自体がだ。
「ですが学んでいますと不思議に思えます」
「あの外見は」
「色々と研究されていますが」
この時代の生物学者達によってだ。
「実にです」
「異様ですね」
「そう言ってもいいまでに思えます」
「それで連合建国当初はですか」
「エウロパと徹底的に対立しつつ」
政治的にはそうであった、その頃に登場したブラウベルグを中央政府も各国政府も必死に抹殺しようとしていたが失敗続きだった。
「その技術や文化は」
「カンブリア紀の様にですか」
「実に多彩で異様で」
「そうした状況ですか」
「教科書や文献を少し読んだだけではわからないですが」
それでもというのだ。
「各国の技術や文化は多彩で独特で」
「それで、ですか」
「面白いのです」
「そうなのですね」
「考古学的にも」
この学問から見てもというのだ。
「面白いのです」
「この博物館でも」
「ありますね」
「はい、建国当初のコーナーが」
「そちらに行かれれば」
その時にというのだ。
「よくわかります」
「そうですね、実は」
これまではとだ、マリアはトロットに答えた。
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