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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第10話『ミスマッチな世界』

内海「装填の守護者、仮面ライダーディロードこと凪風雅は迫り来るインベーダーの脅威を退け…ってなんですかこれは!仮面ライダービルド第14話のアフレコじゃないんですか!なんですか、仮面ライダーディロード第10話って!」
難波「そうは言っても仕方ないだろう。確認しようにも肝心な桐生戦兎がいないんだし。」
内海「なんでいないのですか!」
難波「メモがあった。『このてぇんさいっ物理学者桐生戦兎と仲良し(一部髭は除く)御一行はゲスト出演が決まったんだ。いや~、人気者はつらいね。というわけで、今日のあらすじはモブキャラ達に任せるわ。あとよろしく♪』とかふざけたことが書かれていた。」
内海「おのれ桐生戦兎。私のことをサイボーグと呼ぶどころかモブキャラ呼ばわりとは!」
難波「このめちゃくちゃな展開の行方は、仮面ライダーディロード第10話にて!」

─火星で発見された、パンドラボックスが引き起こした、スカイウォールの惨劇から10年。わが国は東都、西都、北都の三つに分かれ、混沌を極めていた。


「リンディ長官、異変というのはどのあたりですか?」
次元転送ポートに乗った雅は質問する。
「仮面ライダークローズが誕生して間もない頃の話よ。」
「異変の範囲は?」
「スカイウォールがなくなるという状況よ。」
「確かに、大きな問題だ。スカイウォールは確かになくなるが、それはこのタイミングではない。それでは、向かいます。」
「お気をつけて。」
雅は次元転送ポートを起動して仮面ライダービルドの世界へ向かった。

「そう言えば戦兎、クローズってどういう意味でつけたんだ?」
仮面ライダークローズに変身する万丈龍我は仮面ライダービルドに変身する桐生戦兎に質問する。
「ああ、あれね。複数の言葉の造語だから簡単には説明出来ないの。ま、バカはカッコイイ名前だな、くらいに思っていればいいよ。」
「なんだよそれ。ってかバカって言うな!せめて筋肉バカって言え!」
万丈は戦兎にからかわれてキレる。
「そんなことより、内海の言っていた言葉が気になるんだ。」
「あいつ何か言っていたのか?」
「ああ。本物のナイトローグは氷室元徳だって。」
「どうせ、ただの罪のなすりつけだろ。第一、東都の首相補佐がファウストのトップなわけないだろ!」
戦兎の疑問に、万丈は普通ならだれでも考えることを言う。
「だけどもし、ナイトローグの正体が本当に氷室元徳なら、全ての可能性がつながる。」
「どういうことだよ。」
「そもそもなんでパンドラボックスがこの東都にあるのか、それが不思議だったんだ。だけど氷室元徳がナイトローグなら、ファウストが兵器の一つとしてパンドラボックスを持っていて、葛城巧に研究をさせて、用済みになったから殺害し、その罪を万丈に着せて、完成したビルドドライバーを俺に持たせて実験している。全てつながるんだ。」
「なるほど。じゃあ俺の冤罪を晴らすことが出来るのか!」
「可能性はある。」
戦兎と万丈は考察を続ける。

「まだスカイウォールは残っているか。」
『仮面ライダービルド』の世界に来た雅はスカイウォールを見上げながら呟く。
この世界では、10年前に火星から持ち去られた『パンドラボックス』と呼ばれる謎の物体によって日本が三つの国に分断されてしまっている。雅が現在いるのは、戦兎達のいる東都と呼ばれる地域。東都は米国と協力し、平和主義を貫く裏側で『ファウスト』という秘密結社が蠢いている地域となっている。
「まずはエボルトに接触する必要があるな。」 
雅はマシンディローダーを走らせる。

雅はある場所に着く。
「戦兎か?いや、違うな。お前、異世界の人間だな?」
中年の男性は雅を見るなりそう言う。
「そういうあなたも、この世界の人間ではないですよね。石動惣一郎さん。エボル…いや、今はブラッドスタークと呼ぶべきですか?」
雅が話すとその男性、石動惣一郎は歯車や管の装飾が施された銃、トランスチームガンを取り出す。
「俺のことを知っているとは、生かしておくわけにはいかないな。」
惣一郎は毒蛇の成分を内包する小型ボトル端末、コブラロストフルボトルを取り出す。
「おっと、あなたに大切な話があって来たのに、その態度ですか?」
雅はロードスラスターの銃口を向けながら話す。
「おいおい、それが人に話をする態度か?」
惣一郎はトランスチームガンを下ろす。
「このまま行くと、あなたがせっかく作ったスカイウォールは、後十日後に忽然と消滅します。」
「なら嬉しい話だ。あれは好きで作ったものじゃない。不完全に出来た欠陥品だ。」
「確かに、それは間違っていませんし、スカイウォールは確実にあなたが消し去ります。しかし、それは今から8ヶ月後の出来事で、今起こってはいけないことです。」
「そうか?俺の計画が速く進む可能性があるだろ?」
「残念ですが、そう都合よく進むなら、僕もわざわざこの世界に来ません。今スカイウォールが無くなると、氷室元徳が率いる東都の軍勢に北都と西都は制圧され、この世界は崩壊を迎えます。」
雅は状況を説明する。すると、
「はっはっは!面白い。俺がエボルトってことを知っているなら、星狩りの一族として、その崩壊を望むと思わないのか?」
惣一郎は笑いながら言う。
「もちろん、貴方達ブラッド族のことは知っています。ですが、あなたはどうやら僕が言っている世界の崩壊を理解していないみたいですね。」
「おいおい、どういう意味だ?」
雅の言葉に、惣一郎はからかうように質問する。
「ここで言っている世界の崩壊というのは、地球が消えるなんて小さなことではなく、この『仮面ライダービルド』の世界が無くなる。即ち、あなたの存在も消滅するということです。」
「なるほど。言いたいことはわかった。で、何が原因か解っているのか?」
「もちろん、調べてありますよ。犯人はかつて東都物質研究センターに所属していた最上魁星という男です。」
「なるほど、最上か。あのエニグマシステムを研究していた。」
「やはり存じていますか。」
「当然だろう。それで、死んだはずの奴がどうして関係しているのだ?まさか、実は生きていたとか言わないよな?」
「そのまさかです。そして、直にエニグマは完成し、彼はそれを制御するカイザーシステムを使ってこの世界を崩壊させようとしています。」
雅は事件の実情を伝える。
「それで、俺はその最上を殺せばいいのか?」
「いいえ、今最上魁星が死ぬことも、この世界の崩壊につながります。なので、仮面ライダービルド達と協力して適度に攻撃して、逃がす必要があります。」
「世界ってデリケートなものだな。」
「そうです。それから、そろそろ仮面ライダービルドが来る頃なので、説得をお願いします。僕の方はもう一人、話さないといけない人がいますので。」
「まさか、ナイトローグとか言わないよな?」
「そのまさかですが。」
「やめておけ。お前でどうにかなるような男ではない。」
「大丈夫ですよ。任せて下さい。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープを使って移動する。そして、それに合わせて仮面ライダービルドに変身する記憶喪失の青年、桐生戦兎がやってくる。
「どうして…どうしてマスターがブラッドスタークなんだ!」
戦兎は嘘であってほしいと思いながら惣一郎に言う。
「それか。そのことなら今話そうと思っていたんだが、ちょっと事情が変わった。」
「どういうことだよ!」
「俺たちの世界の行く末を知っている異世界の仮面ライダーが来た。」
「異世界の仮面ライダー?」
「なんでも、そいつが言うには今から10日後、スカイウォールが消滅し、西都と北都は東都によって壊滅し、世界が崩壊するらしい。」
惣一郎は雅から受けた説明を戦兎にする。
「待ってくれマスター。どうしてスカイウォールが無くなると東都が北都と西都を壊滅させるんだ!?」
「考えてもみろ。今スカイウォールが無くなれば、互いの国は自分達が覇権を握ろうと躍起になる。だがな、仮面ライダーを唯一持っているのは東都だけだろう。そうなれば、仮面ライダーの力だけで北都と西都を支配することは簡単だろう?」
「そんなの、俺と万丈が拒否すればいいだけだ!」
「お前、何か大切なことを忘れていないか?」
「大切なこと?」
「お前達は本来の記憶を失っている。本来の自分達が残虐非道な悪人でないと、何故言い切れる!今は愛と平和を守る正義の使者とか言っていられるが、その本性が邪悪でないと、何故言い切れる!?」
「それは…」
「だから、今はまだスカイウォールが必要なんだとよ。」
「それで、その異世界の仮面ライダーはどこにいる!?」
「落ち着け戦兎。そいつなら今、ナイトローグに話を着けに行った。」
「どうしてナイトローグに?」
「なんでも、ナイトローグの協力が必要なんだとよ。」
「それで、スカイウォールを消そうとしている犯人は解っているのか!?」
「ああ。あいつが言うには、東都物質研究センターに勤めていた、最上魁星という多次元時空理論を唱えていた科学者だ。」
「多次元時空理論…まさか!?」
「そうだ。奴は次元を破壊する兵器、エニグマを使ってこの世界を破壊し、この世界の王になろうとしている。」
惣一郎は戦兎に説明している。すると、
「はぁ、はぁ、はぁ…漸く追い着けた。」
惣一郎の娘でビルドが集めた成分を浄化する力を持つ少女、美空と万丈が追い着く。そして、
「惣一郎さん、ナイトローグの協力、確約がとれました。」
雅とナイトローグがワープの力で現れる。
「待っていたぞ異世界の仮面ライダー。こっちも戦兎に説明したところだ。」
惣一郎は雅に状況を伝える。
「おい戦兎、どうなっているんだよ!」
「わけ解んないんだけど。」
万丈と美空は戦兎に尋ねる。
「俺も何がなんだか解っていない。事情を教えてくれ。」
戦兎は雅に言う。
「その前に、自己紹介がまだでした。申し訳ありません。僕は凪風雅、仮面ライダーディロードです。」
雅は自己紹介をし、現状を説明した。
「なるほどな。雅以外のライダーに出会う為に、俺たちの未来の為に、協力してくれるんだな!」
戦兎は雅に握手を求める。
「勿論。世界のルールと正しい歴史の為、頑張りましょう!」
雅は握手に応じた。すると、
「漸く見つけたぞ、仮面ライダー!」
顔の左半分が機械になっている男性が現れる。
「最上魁星…」
雅は呟く。
「お前が最上魁星か!」
戦兎は言う。
「その通り。そして、新世界の帝王だ。」
〝リモートコントロールギア!〟
最上は変身銃、ネビュラスチームガンにギアリモコンをセットし、
「カイザー!」
〝ファンキーマッチ!ギアリモコン!〟
カイザーに変身する。
「行くぞ、万丈!マスター、ナイトローグ、それに雅、協力してくれるんだよな!?」
戦兎はビルドドライバーを装着する。
「仕方ないなぁ。今回だけだぞ?」
〝コブラ!〟
惣一郎はそう言うと、トランスチームガンにコブラロストフルボトルをセットする。
「皆さん、くれぐれも完全に倒さないようにして下さいね。」
雅はディロードライバーを装着する。
「まずは、あいつをやればいいんだな!」
〝ウェイクアップ!〟
万丈はサポートメカのクローズドラゴンをビルドドライバーにセットする。
「さあ、実験を始めよう。」
〝ラビット!タンク!ベストマッチ!〟
戦兎はラビットフルボトルとタンクフルボトルをセットする。
〝クローズドラゴン!〟
万丈はドラゴンフルボトルをクローズドラゴンにセットする。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードのカードをスキャンし、戦兎と万丈はビルドドライバーのレバーを回転させる。
〝Are you ready?〟
「「「変身!」」」
〝鋼のムーンサルト!ラビットタンク!ィエーイ!〟
〝Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!〟
戦兎は仮面ライダービルドに、万丈は仮面ライダークローズに、雅はディロードに変身する。
「それじゃ、俺も行くか。蒸血!」
〝コブラ…コ…コブラ…ファイヤー!〟
惣一郎はトランスチームガンのトリガーを引き、ブラッドスタークに変身する。
「行くぞ、ライダー達!」
カイザーはネビュラスチームガンからエネルギー弾を放つ。
「なるほどな。それなら!」
【CHANGE RIDE-FORUZE DRIVER-】
ディロードはディロードライバーをフォーゼドライバーに変え、雅の変身は解除される。。
[three two one-]
「変身!」
雅は仮面ライダーフォーゼに変身する。
[ロ ケット オン]
フォーゼはロケットモジュールを装着し、ライダーロケットパンチを放つが、
「甘い!」
カイザーは回し蹴りを放ち、フォーゼの顔面に直撃。フォーゼは地面に叩きつけられて変身を解除させられる。
「それなら、これでどうだ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔ライオン!トラ!チーター!♪ラタラター!ラトラーター!♪〕
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変えて、仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボに変身する。
「これならどうだ!」
オーズは縦横無尽に走る。しかし、
「遅い!」
カイザーはオーズを的確に撃ち抜き、雅の変身は解除させられる。
「俺たちも行くぞ!」
ビルド達も加勢するが、
「お前達がどれだけ集まろうと、カイザーシステムに敵うものか!」
カイザーはビルド達を軽々と退ける。
「諦めろ。お前達では、この世界の帝王には及ばない。世界が滅びる様子を、眺めているんだな。」
カイザーは言う。
「…崩壊なんて、させない!」
雅は立ち上がり、ディロードに変身する。
「皆さん、このカードに願いを込めて下さい!」
ディロードは美空とビルド達にカードを渡す。
「集え、世界の願い!」
ディロードは宣言し、ワールドホープのカードが誕生する。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BUILD-】
ディロードがワールドホープを発動させると、ディロードから一本のフルボトルが出現する。
「戦兎さん、これを使って下さい!」
ディロードはライダーカードフルボトルをビルドに渡す。
「おい戦兎、これを使え!多分ベストマッチだ!」
クローズは変身を解除し、ドラゴンフルボトルをビルドに渡す。
「サンキュー!」
ビルドは二本のフルボトルをセットする。
〝ドラゴン!ライダーカード!ベストマッチ!〟
「おお!ベストマッチ!キター!」
ビルドはレバーを回転させる。
〝Are you ready?〟
「ビルドアップ!」
〝ディロード!KAMEN RIDE-DELOAD-〟
ビルドの変身は完了し、仮面ライダービルド ディロードフォームに変身する。
「行くぞ、雅。創造者と守護者のベストマッチ、みせてやろう!」
「はい!」
二人のディロードはロードスラスターでカイザーを攻撃する。
「馬鹿な!?カイザーシステムが圧されているだと!?」
「行くぞ、雅。勝利の法則は、決まった!」
「解りました!」
ディロードはファイナルアタックライドをスキャンし、ビルドはレバーを回転させる。
〝ボルテックフィニッシュ!〟
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
二人のディロードの同時キックが炸裂し、最上は変身が解除される。
「やるな、仮面ライダー。しかし、おかげで異世界のライダーのデータが手に入った。今は撤退させてもらおう。」
最上はネビュラスチームガンから蒸気を放ち、消える。
「これで、僕の役目は終わりました。皆さん、お騒がせしました。」
雅は頭を下げる。
「気にするな。それより、そのベルトを調べさせてくれないか?」
戦兎はディロードライバーに触れようとする。
「やめて下さい!」
雅は体を引いてよける。
「いいじゃん。すぐに返すんだし。」
それでも戦兎はディロードライバーに関心を示す。
「あなたはこの辺り一帯を焼け野原にしたいのですか!それなら渡しますが。」
雅がそう言うと戦兎は止まる。
「なんで、焼け野原になるんだ?」
「このベルトは、適合者以外が使用目的で触れれば、防御機能が働いて半径200メートルの命を根絶やしにする機能がついています。」
「わかった。諦める。」
雅の説明を聞いて、戦兎は諦める。
「それでは、僕はこれで。」
次元転送ポートが開き、雅は自分の世界に帰っていった。

【SOUL RIDE-KAMEN RIDER BUILD-】
雅が帰ると、ビルドの世界のソウルライドが発動される。
『雅、俺たちの世界を救ってくれてありがとう!これからも頑張れよ!それじゃあ、自身過剰な主人公、桐生戦兎が代表して発表させてもらいました!』
戦兎のメッセージを聞き、雅の世界とビルドの世界は繋がりが消えた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「まさか、平成ライダーの歴史を消そうとしているのか!?」
「果たして、君に商品価値はあるのかな?」
「神、本気で言っているのか!?」
「バグスターを、消させるものか!」
「俺たちの世界の運命は俺たちが変える!」
次回『Doctorの意地』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダービルド(ワールドホープ):ビルドの世界のワールドホープ。ディロードの成分の一つであるライダーカードフルボトルが出現。ビルドをディロードフォームに変身させる。

仮面ライダービルド ディロードフォーム
身長:198cm
体重:95kg
パンチ力:8t
キック力:6t
ジャンプ力:40m
走力:100メートルを6秒
ビルドがドラゴンとライダーカードのフルボトルで変身した姿。 
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