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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第9話『決着!真ゲッター対メタルビースト真ゲッター』

「行くぞ!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
真ゲットマシンは合体し、真ゲッター1になる。
「チェンジ、ゲッター1!」
メタルビーストもメタルビースト真ゲッター1に合体する。
「ゲッタートマホーク!」
「ゲッターサイト!」
真ゲッター1はゲッタートマホークを、メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトを取り出して戦闘を始める。
「ふむ、少しはやるな。だが甘い!」
真ゲッター達は互いの武器でつばぜり合いをするが、メタルビースト真ゲッター1は合体を突然解除し、真ゲッター1はバランスを崩す。そして、
「チェンジ、ゲッター3!」
メタルビースト真ゲッター3に合体し、ゲッターアームを伸ばしてゲッタートマホークを奪い取り、ゲッターミサイルを真ゲッター1に放つ。
「くらうものか!オープンゲット!」
真ゲッター1は合体を解除し、メタルビースト真ゲッター3は地面に着地する。
「ここは私に任せて!チェンジ、ゲッター2!」
フェイトの判断で、真ゲットマシンは真ゲッター2に合体し、ゲッタードリルを地面に突き刺す。
「奴らめ、何が目的だ?」
コーウェンは疑問に思うが、真ゲッター2はそのままドリルを回転させる。回転したドリルは様々な管を巻き取って動かなくなるが、真ゲッター2はそれでも回転をやめようとせず、ついにドリルは固定され、真ゲッター2の方が回転を始める。そして、カポエラの体勢になると力づくでドリルを引き抜き、回転を維持したままドリルで移動を行う。
「行きます!ドリルトルネード!」
真ゲッター2は回転を早め、竜巻のようになり、メタルビースト真ゲッター3に向かう。
「馬鹿め!くらえ、ミサイルストーム!」
メタルビースト真ゲッター3はミサイルストームを放つが、真ゲッター2の回転に全て弾かれ、真ゲッター2の蹴りがメタルビースト真ゲッター3のキャタピラに炸裂する。
「スティンガーくん、任せたよ!」
メタルビースト真ゲッター3は合体を解除し、メタルビースト真ゲッター2に合体する。
「フェイト、ここは僕に任せるんだ!」
「うん!オープンゲット!」
真ゲッター2は合体を解除し、真ゲッター1に合体する。
「くらえ、ゲッタービーム!」
「お~ぷんげっと!」
真ゲッター1はゲッタービームを放つが、メタルビースト真ゲッター2は咄嗟に合体を解除し、メタルビースト真ゲッター1に合体すると、インベーダーを使ってそれを受け止め、インベーダーは真ゲッター1を呑み込む。

「よぉ、雅!なんでお前は生きているんだよ!意味の無い武術を使うお前がのうのうと生きていて、なんで将来プロのチームに入る俺達が死ななきゃいけねぇんだよ!」
雅は目の前の光景に怯えていた。なんと、目の前には7年前、大ショッカーの侵略で死んだはずの、かつて雅をいじめ抜いていた生徒達がいたからだ。
「それは…」
「ほら言えない!だからお前は生きている必要が無いんだよ!」
「そんなこと…」
「そんなことあるんだよ!お前の方が死ねよ!死ねないんだったらお前は俺達の玩具になれよ!」
「いやだ…いやだ…いやだ…」
雅は操縦席で怯えていた。

「そんな!どうして君が!」
圭一も同じく怯えていた。圭一の目の前には、圭一がかつて東京にいた頃にエアガンで撃ってしまった少女がいた。
「あのせいで私、目が見えなくなっちゃったの。どうして、あの時逃げちゃったの?」
「それは…」
「だからね、責任、とってくれる?」
「責任?」
「あなたも、目が見えなくなって。」
「い…嫌だ!」
「なんで?どうしてそんな都合のいいことを言うの?人の目を奪った癖に。本当は自分より弱いものをいたぶって楽しんでいる癖に。どうして、自分の番になったら手のひらを返すの?おかしくない?」
「それは…」
「ねぇ、だからさ、早く目が見えなくなって。」
圭一もまた、操縦席で怯えていた。

「どうしてフェイトは、ちゃんと私になれなかったの?フェイトが私になれていれば、母さんはおかしくならないですんだんだよ!フェイトが母さんを、おかしくしたんだ!」
「アリ…シア?」
「私になれないなら、私の記憶も、見た目も、全部返して!」
「どうしたのアリシア!」
「フェイトは私のことをお姉ちゃんだと思っているみたいだけど、それはフェイトの勝手な考え!私の記憶も、見た目も、生きる権利も奪ったくせに、私の妹とか言わないで!」
「そんな…だってあの時!」
「あれはフェイトにとって都合のいい夢でしょ!私の擬き品のフェイトは、誰も大切にしない!だって必要ないもん!みんなが欲しいのは本物の私で、偽物のフェイトはいらないもん!」
「アリシア…そんなこと言わないで…」
フェイトもまた、操縦席で怯えていた。

「奴らめ、大分苦しんでおるな。」
メタルビースト真ゲッター1を操縦している早乙女博士は真ゲッター1の首をゲッターサイトで絞めながら言う。
「これなら勝てるよね、スティンガーくん。」
「そうだね、コーウェンくん。」
メタルビースト真ゲッター1は絞める力を上げる。

「やめて、アリシア…そんなこと言わないで…」
フェイトは怯えている。すると、あるものにふと触れる。
「これは…」
そう、フェイトが触れたものは雅が自身の為に命を懸けて手に入れた、(プレシア)の言葉が録音されたレコーダーだった。
「そうだ。母さんは言ってくれた。私は愛されているって。私はアリシアの記憶も、見た目も持っている。だけど私はアリシアじゃない!私は、フェイト・テスタロッサ。アリシアの妹だ!」
フェイトはレコーダーを再生する。
『きっと、私を受け入れないでしょうね。アリシアの、ううん、私の幸せだけを考えて、アリシアの偽物を作って、あんなことをしていた。アリシアはそういうことを嫌う子だった。』
「やめて!うるさい!」
アリシアの幻影は苦しむ。
『そうですか。では、貴方が生み出して、貴方を救えなかったことを後悔しているフェイトのことは?』
『忘れていたわ。あの日、事故が起きる少し前、アリシアに頼まれていたお誕生日のプレゼント。』
『それって…』
『そう、アリシアは妹がほしいって言っていたわ。自分と同じできれいな金色の髪に赤い瞳。それでとっても素直な妹。きっと、フェイトはアリシアにとって、理想の妹だったわ。』
『そうですか。』
『でも、私はフェイトを愛せない。自分を痛めて産んでいないあの子は、やっぱり私の分身ではないわ。』
『それでも、フェイトは生きています。一体、誰の愛情を受けて生きて行けばよいのでしょうか?』
『貴方が愛しなさい。ううん、もう充分にいろんな人から愛されているわね。』
『貴方自身で愛してあげようとは?』
『無理よ。私はアリシアに縛られた亡霊のようなもの。あの子を愛する資格なんて…』
『人を愛するのに、資格なんて必要ない!その人大切に思えるかが重要なんだ!』
『そう…やっぱりあの子はもう、充分に愛されているわ。』
そして、アリシアの幻影は妹を思う優しい姉の笑顔をみせて消滅する。
「雅!圭一!しっかりして!自分を取り戻して!」
フェイトは雅と圭一に呼びかける。
「そうだ。確かに俺はあの時どうかしていた。謝っても許されないことは解っている。それに、同じ罰を受けろと言われても嫌だって言う。だって仕方ないだろ!それが俺なんだ!だから、これだけは言わせてくれ!ごめんなさい!あの時、怖くなって、怖じ気づいて、身勝手に逃げて、ごめんなさい!」
「よかった。やっぱりちゃんと謝れるんだね。」
少女の幻影は消えていった。
「雅さん、しっかりしてください!今の雅さんは、俺達の正義のヒーロー、仮面ライダーディロードだろ!」
圭一は叫ぶ。
「そうだ…僕は装填の守護者。もう、あの時の僕ではない!もう、怯えている暇なんて無いんだ!」
雅は幻影を振り払い、真ゲッター1を動かす。
「何ッ!?」
メタルビースト真ゲッター1はバランスを崩す。
「さて、どうやって倒すか…」
雅は考える。すると、
“ストナーサンシャインを使え!”
何者かが雅達の脳内に話しかける。
「あなたは!?」
“迷ってんじゃねえ!やり方は解ってんだろ。お前達のゲッターガッツを一つにあわせろ!やられんぞ!”
「ありがとうございます、竜馬さん!」
雅は、自身にヒントを与えたゲッターチームのリーダー、流竜馬に礼を言い、真ゲッター1にエネルギーを込める。
「奴らめ、あれを放つ気か!スティンガー、コーウェン、あれを使うぞ!」
「了解しましたよ、早乙女博士。」
「うん!」
メタルビースト真ゲッター1はゲッターウィングを展開し飛翔すると、ゲッター線のエネルギーを纏う。
「ストナァァァァァー…」
「くらえ!シャインスパーク!」
メタルビースト真ゲッター1は真ゲッター1に突進する。
「サァァァンシャイィィィィィィィン!」
真ゲッター1の拳から巨大なゲッター線のエネルギーが放出され、メタルビースト真ゲッター1はそれを吸収しようとするが、耐えきることが出来ず、機体は崩壊を始め、
「まさか、エネルギー切れになるとは!」
「どうしますか、早乙女博士。」
シャインスパークが競り負け、自身の肉体がストナーサンシャインを吸収しようとする様を見て、コーウェンとスティンガーは戸惑う。
「スティンガー、それにコーウェン。お前達は相変わらず同じ手に引っかかる。」
早乙女博士は笑いながら言う。
「早乙女博士、まさか!」
「また裏切ったのですか!?」
「お前達に不信がられていた時は不安ではあったが、儂が協力を始めた瞬間にあっさり信用しおって。さて、流石に今度はインベーダーの本能に駆られたな。おかげで上手く誘導できたわ!」
「おのれ、早乙女博士!」
コーウェンは恨み言を言う。
「これで、真ドラゴンに融合した全てのインベーダーは消滅する。號達も、元の世界に帰れるだろう。ではさらばだ、チームディロード!」
早乙女博士はそう言い残して、メタルビースト真ゲッター1は爆発し、暴走していた真ドラゴンは安定し、本来の姿を取り戻した。

「ありがとう、雅。おかげで俺達も元の世界に帰れる。」
「よかったです。」
雅達は互いに握手を交わし、號達は真ドラゴンに乗って宇宙に向かうと、ワームホールを作り、本来いた世界へ帰っていった。

「それにしても、まさかあの事件がここまで発展してしまうとはな。」
雅は警察庁へ向かう。すると、
「雅国家象徴、別の世界で歪みが現れているの。」
リンディが雅に話す。
「それで、その世界は?」
「『仮面ライダービルド』の世界よ。」
「わかりました。次元転送ポートで現地に向かいます。もしかしたら、消えた流夜と関係があるかもしれません。」
「わかったわ。それでは、気をつけて。」
雅は次元を渡る準備を始める。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
突然消えたスカイウォール。そこには恐るべき暗躍が!次回『ミスマッチな世界』お楽しみに 
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