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八条学園騒動記

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第五百三十話 考古学その六

「そうですね」
「はい、ですが」
「当時はですね」
「後にオーパーツと言われる技術で」
 その為中南米のインディオ達の文明の中でも最大の謎の一つとされてい、数多い遺跡達の中でもである。
「あれも少なく」
「博物館も手に入れることにですか」
「非常に苦労したとのことです」
「そうなのですね」
「先程申し上げましたがレプリカも多くて」
 そして偽物もだ。
「それを手に入れてはいけないので」
「慎重に見極めて」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「購入費も」
「かなりでしたか」
「そうでしたので」
 このこともあってというのだ。
「非常にです」
「入手に苦労しましたか」
「はい、ですが」
 それでもとだ、トラップはさらに話した。
「入手したかいはあったとです」
「言われていますか」
「博物館の目玉の一つなので」
 そうなっているからだというのだ。
「ですから」
「あの髑髏はですね」
「本物で」
 それでというのだ。
「ああしてです」
「光るのですね」
「中から光を入れれば」
「それも見どころですね」
「あの髑髏は間違いなく水晶製で」
 この宝石で造られていてというのだ。
「そしてです」
「古代アステカで造られた」
「間違いなくです」
 トラップは先生に強い声で話した。
「当博物館は偽物はです」
「置かないですね」
「正統派の博物館を目指していまして」
 それでというのだ。
「そのポリシーがありまして」
「それであの髑髏も」
「間違いなく本物です」
「だからあの様にしてですね」
「展示されています」
「あの髑髏ですが」
 マリアはワインを飲みながら話した。
「前から思っているのですが」
「何でしょうか」
 マリアにトラップが応えた。
「あの髑髏についてとは」
「あの頃の中南米は生贄の風習がありましたね」
「はい、アステカもインカも」
 両方の文明でとだ、トラップは答えた。
「二つの地域はそれぞれ離れていましたが」
「それで同じインディオの文明でもですね」
「はい、それでもです」
「地域自体は離れていましたね」
「ただ同じ高山地帯の文明であり」
「高度に進化していましたね」
「そうでした、ですが」
 それでもとだ、トラップはマリアにさらに話した。
「生贄の風習は」
「実際にありましたね」
「そこも同じでした」
「そうでしたね」
「神話の体系は違いますが」
 アステカとインカで全く違う、もっと言えばマヤも違う。中南米といってもその信仰も神話体系も全く違っていたのだ。 
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