| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百三十話 考古学その二

「容赦なくです」
「殺しますね」
「非常に残虐な性質ですね」
 先生もこう言った。
「エウロパ人は」
「本当にそうですね」
「連合はといいますと」
 先生はマリアにさらに言った。
「例え食べても」
「それだけで」
「無闇な殺戮はです」
「しないですね」
「元は違っても」
 それでもとだ、先生は言うのだった。
「農耕民ですね」
「連合はそうですね」
「狩猟ではなく」
 それで糧を得るのではなく、というのだ。
「田畑を耕して」
「そうしてですね」
「家畜も育て」
「そうして生きていますね」
「彼等とは違います」
「彼等は狩りをして」
「しかもその狩りはです」
 先生はさらに話した。
「無闇にです」
「狩り尽くす、ですね」
「そうした強欲な狩りの仕方なので」
「あの様にですね」
「多くの生物を絶滅させてきました」
「そういうことですね」
「農耕民は」
 つまり連合市民はというのだ。
「確かに様々なものを食べて」
「生きものもですね」
「そのステラーカイギュウも食べますし」
「オオウミガラスも」
「ドードー鳥もです」
 この鳥もというのだ。
「食べます」
「その通りですね」
「ですが」
 それでもというのだ。
「無駄にです」
「殺さないですね」
「はい、あくまで必要な分だけで」 
 殺すものはというのだ。
「その命もです」
「受け取っていますね」
「そしてそうした考えが」
 先生はマリアそしてトラップにさらに話した。
「あらゆる人種、民族、宗教を共存させています」
「それが連合ですね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「連合は」
 この国はというのだ。
「共存はしていますが衝突も」
「多いですね」
「はい、それがです」
 どうにもというのだ。
「困りますね」
「それは確かにそうですね」
 マリアは先生の今の言葉に同意して述べた。
「連合は本当にです」
「衝突が絶えないですね」
「まことに」
「あらゆる勢力がです」
「常にいがみ合っていて」
「そして衝突を繰り返していて」
「共存していましても」
 それが事実であってもというのだ。
「衝突もですね」
「していますね」
「先生の言われる通りですね」
「それが困ったことですが」
 先生はここでこうも言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧