八条学園騒動記
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第五百三十話 考古学その一
考古学
トラップはマリアにまずはこう前置きして語った。
「私は実は文系でして」
「専門は」
「はい、古代エジプトがです」
こちらがというのだ。
「専門でして」
「それで博物館でもですか」
「そちらのコーナーで勤務しています」
こうマリアに話した。
「そうしています。ですが動物は好きで」
「それで、ですね」
「先穂とのお話を先生ともしました」
「そうだったのですか」
「よくこの学園の動物園にも行きます」
マリアにこうも話した。
「そうもしています」
「動物がお好きなので」
「時間があれば」
その時にというのだ。
「動物園に行きますし水族館にも」
「あちらにもですか」
「行って」
そしてというのだ。
「先程お話した生きもの達もです」
「ご覧になられていますか」
「はい」
そうしているというのだ。
「その様に」
「そうですか」
「クァッガもオオウミガラスも」
マリアにもこの生きもの達の名前を語った。
「ブルーバックやドードーも」
「ドードー鳥もですね」
「この生きものは特に好きで」
それでというのだ。
「よく見ていますが」
「ペットとして飼うとも出来ますね」
ドードー鳥はとだ、マリアはこう返した。
「そうですね」
「人気がありますね」
「愛嬌のある外見で大人しいので」
「そうです、非常に大人しいです」
そのドードー鳥はとだ、トラップはさらに言った。
「飛べないですし」
「動きもですね」
「鈍くて」
それでとでというのだ。
「非常に捕まえやすくです」
「飼いやすいですね」
「ですがそうした生きものをです」
「エウロパ人達はですね」
「瞬く間に絶滅に追いやりました」
地球でそうしたというのだ。
「そしてステラーカイギュウは」
「あの生きものにしても」
「二十七年で」
僅かこれだけでというのだ。
「絶滅させたのです」
「無抵抗な生物を」
「平気でそうしたのですから。オオウミガラスも」
この生きものもというのだ。
「その様にしたのです」
「残酷ですね」
「そうですね、本当に」
「無抵抗なのに」
オオウミガラスも温和な生物として知られている、それで連合でも人気があって動物園でも人気があるのだ。
「それでも」
「近寄ったところを撲殺して」
これがオオウミガラスの狩り方だった。
「食べたり標本にしたりして」
「絶滅に追い込みましたね」
「彼等は無抵抗なら」
そうした生物でもというのだ。
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