八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百二十九話 お見合い当日その十一
「白人至上主義になる」
「そうでしたね」
「人種の違いはです」
「何でもないですね」
「確かに個人差はありますが」
「人のものであり」
「人の能力の違いなぞ」
所詮はという口調での言葉だった。
「結局はです」
「大したものではないですね」
「そう思います」
「そうですよね」
マリアも二人の話にここで戻った、暫く聞く方に回っていたがここで戻ってそうして口を開いたのである。
「人種の違いは」
「何でもないです」
「個人の努力次第で、ですね」
「どうにもなります」
「そんなものですね」
「むしろ人類は」
先生は今度はマリアに話した。
「混血してです」
「そうしてですね」
「その人種の優れた点を伸ばし」
「欠点は補う」
「そうしたもので」
「白人至上主義は」
「愚かな主張です」
先生は一言で答えた。
「まさに」
「そうですね」
「ですがエウロパではです」
「ダーウィンも悪用して」
「悪質な曲解を行い」
これは連合の見方である、エウロパに対する。
「そしてです」
「そうした考えも出ましたね」
「白人至上主義は」
それはというと。
「もう科学的にも」
「否定されていますね」
「はい」
実際にとだ、マリアは先生に答えた。
「完全に」
「人種、民族による能力の違いはです」
「ないですね」
「国籍でもです」
「性別による身体の構造の違いはあっても」
「それはあくまで性別のことであり」
その違いでというのだ。
「能力の違いではないですね」
「体格の違いはあっても」
「体格は仕方がありません」
先生はこれはよしとした。
「性別によるものでも個人によるものでも」
「体格の大きい小さいで力が違ったりしますね」
「体力も。ですがそれは置いておいて」
体格のことはというのだ。
「人種や民族、国籍による能力の違いは」
「ありませんね」
「昔知能指数の検査をすれば」
そのテストを行ってだ。
「白人国家よりもアジア系国家の方が高い結果が出ました」
「そうでしたね」
「ここでもうです」
「白人至上主義は崩れますね」
「そして運動は」
つまりスポーツはというのだ。
「黒人の方がです」
「白人よりも上でしたね」
「これを見ると白人は劣っていますが」
アジア系や黒人よりだ。
ページ上へ戻る