八条学園騒動記
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第五百二十九話 お見合い当日その四
「どうやら」
「中央政府軍は特にですが」
「靴をよく磨いていますか」
「光る位に」
奇麗に磨いてだ。
「そうしてこそです」
「本当にいいとですね」
「お洒落は、そして整理整頓も」
それもというのだ。
「まず靴です」
「それをですね」
「奇麗にして」
そしてというのだ。
「真だと言われていまして」
「靴は、ですか」
「いつも磨く様にしています」
「それで私もですか」
「磨かれているので」
だからだというのだ。
「素晴らしいと思いました」
「左様ですか」
「はい、ただ」
「ただといいますと」
「祖父はこうも言っていました」
彼はマリアにさらに話した。
「自分の靴、そして服も部屋も」
「そうしたものはですか」
「全て自分で」
「自分で奇麗にする、ですか」
「若し他の人にさせれば」
自分の靴を磨かせたりすればというのだ。
「それはエウロパ貴族と同じだと」
「その様にですか」
「言われていました」
「そうでしたか」
「はい」
こうマリアに答えた。
「そして強制もです」
「してはならないと」
「十字軍の様なことはです」
「するなとですか」
「言われました」
祖父にというのだ。
「そう言われました」
「そうでしたか」
「自分のことは自分で、そして」
「強制もしない」
「エウロパ貴族や十字軍は」
彼等はというと。
「人間の悪い面の象徴だと」
「そうもですか」
「教えられました、祖父は今も健在ですが」
それでもというのだ。
「今もその様にです」
「言われていますか」
「エウロパ貴族や十字軍が嫌いで」
「それは連合では」
「誰もが同じですね」
「そうですね」
「祖父はその中でもです」
とりわけというのだ。
「嫌いでして」
「それで、ですか」
「私にも言っていました」
こうマリアに話した。
「ですから私はです」
「ご自身のことは自分でされて」
「そしてです」
「強制もされないのですね」
「その様に心掛けています」
「そうですか」
「はい、そして毎晩寝る前に」
彼はこうも話した。
「アイロンがけと靴磨きは」
「されていますか」
「そうしています、さもないと」
この二つをしないと、というのだ。
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