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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十話 二重奏その七

「聴かせてもらいました」
「そうですか、それで演奏は」
「最高でした、ただ」
「ただとは」
「ちょっと外でお話しませんか」
 こう早百合さんに提案した。
「後で」
「お外で」
「喫茶店に入って」
「そのうえで」
「それでは」
 早百合さんも頷いてくれた、そしてだった。
 僕達は第一校舎の二階にあった一年H組がやっていた幕末風という和風茶屋に入ることにした、何でも都にあった感じらしい。
 その前で二人で待ち合わせをすることにした、するとすぐにセーラー服姿の早百合さんが来た。スカーフは紅色でスカートの丈は短い。
 そのセーラー服姿にだ、僕はまず言った。
「セーラー服ですか」
「この制服も持っていまして」
「それで今はですか」
「こちらを着ています」
「そうなんですね」
「水兵さんですね」
 早百合さんは笑ってこうも話した。
「そうなのですね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「早百合さんがセーラー服持っておられるとは」
「思いませんでしたか」
「そこまでは」
「実はこの服も好きで」
 セーラー服もというのだ。
「前から持っていました」
「そうだったんですね」
「ただ。二年生まではよく着ていましたが」
「三年生になられてからは」
「着ていませんでした」
「そうだったんですね」
「ですが今は久し振りに着ています」
 僕ににこりとして話してくれた。
「この通り」
「そうなんですね」
「最近高校でセーラー服は少ないですね」
「殆どブレザーですね」
「そうですよね」
「あちらも元々は軍服ですが」
 これは詰襟もだ、詰襟やセーラー服は元は軍服だから駄目だとか言う学校の先生がいるけれどブレザーもそうだしランドセルもだ。ひいては制服全廃になる。それはそれで学校としてはいいかも知れない。
「女の子の制服は高校では」
「この八条学園でもですね」
「大抵そうなっていますね」
「そうですよね、その中で」
「今日の私は」
「セーラー服ですね」
「そうです、では今から」
 早百合さんから言ってくれた。
「中に入って」
「そしてですね」
「お話をですね」
「お願いします」
「それでは」
 二人で話してだ、そしてだった。
 僕達は喫茶店に入ると二人用の席に向かい合って座った、教室を使っているので学校の机や席だった。
 けれど和風の雰囲気のお店でだった。僕達はお抹茶と三色団子を頼んだ。そのうえで甘いものとお茶を楽しみつつ話した。
 僕はお抹茶を飲みながら早百合さんに話した。
「演奏よかったです」
「あの二重唱はですね」
「はい」
 こう早百合さんに答えた。 
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