八条学園騒動記
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第五百二十八話 お見合いの前にその十
「その実はです」
「正しいとは限らなかったり」
「他の人に迷惑をかけては」
「正しくないですね」
「正義は理性とセットでなければ」
この二つが共になければというのだ。
「それは正義ではないのです」
「理性は大事ですね」
「そしてもっと言えば法律も」
法的な話にもなった。
「それもです」
「必要ですね」
「若し法律に基づかないならば」
「正しいと思う行為も」
「無法になってしまうので」
「それもまた、ですね」
「よくないと思います」
こうマリアに話した。
「法律があるなら」
「法律に従う」
「それが大事かと」
「ですね、アウトローは」
例え正義でもとだ、マリアは言った。
「漫画等では恰好いいですが」
「それでもですね」
「結局はです」
「大抵は一人ですね」
「そうですし」
「それを覚悟のうえですが」
創作上でのアウトローの者達はというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「寂しいもので」
「そしてですね」
「アウトローでしかないです」
所詮はという口調での言葉だった。
「それは」
「結局はですね」
「何もない」
「そうしたものですか」
「はい、そしてです」
それにと言うのだった。
「自分も犯罪者なので」
「法律に基づかないので」
「その正義は小さいものです」
「やはりそう考えますと」
「警察や軍隊の方が」
「正義になりますね」
「それにこうした組織は法律に基づいているので」
ミンチンはあくまで法律を出すがこれはミンチンは生真面目な性格であるが為に遵法精神が強いからである。
「暴走もしません」
「そこも大きいですね」
「アウトローは」
「法律に基づかないので」
「一歩間違えると」
その時はというのだ。
「暴走して」
「正義でなくなりますね」
「暴走するが正しいことをしている」
「それはですね」
「そう言う人は」
「もうその時点で、ですね」
「正義でなくなっています」
暴走を肯定している時点でというのだ。
「私はそうした人は人間性も」
「疑っておられますね」
「はい」
その通りだとだ、ミンチンも堪えた。
「まさに過激派ですから」
「その発想ですよね」
「最早」
暴走するが正しいことをしていると言う人間の考えはというのだ。
「若し他の人に言えば」
「もう言った瞬間に」
「私もそうですが」
「人間性をですね」
「疑う人が多いでしょう」
「若し疑わないなら」
その場合はというのだ。
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