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八条学園騒動記

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第五百二十八話 お見合いの前にその五

「若しご自身で磨いていれば」
「ポイントは高いですか」
「しかも他の人にそこを言わないと」
 そのこともというのだ。
「尚更いいと思います」
「そうなのですね」
「靴はです」
 ミンチンはさらに言った。
「そこまで大事なので」
「服は奇麗でしたが」
「アイロンがかかっていて」
「それで」
「埃も殆ど付いていませんでしたね」
「埃もですか」
「よく取られていて」
 それでというのだ。
「奇麗でした、埃もです」
「大事ですか」
「それが少ないということは」
「尚更ですか」
「あくまでご自身でという前提ですが」
 それでもというのだ。
「よいかと」
「しっかりしている人ですか」
「特に靴ですね」
 ここが大事だというのだ。
「ご自身で丁寧に磨かれていれば」
「違いますか」
「はい、一見お洒落でも」
 そうした人でもというのだ。
「だらしない人ですと」
「靴が、ですか」
「汚いものなので」
「磨かれていないので」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「そこをよく見れば」
「わかりますか」
「はい、そこが大事です」
 ミンチンはマリアに再び靴の話をした。
「靴がどうか」
「そのこと覚えさせてもらいます」
「実際に連合軍をご覧になれば」
 この軍隊をというのだ。
「まことにです」
「靴がよく磨かれていて」
「奇麗です、そして」 
 さらにというのだ。
「軍服、作業服や迷彩服までです」
「奇麗ですか」
「そうなっています」
「そうですか」
「アイロンがけましてしていてもう奇麗に整っていて」
「若しかして糊も」
「はい、それもかけて」
 そうもしてというのだ。
「ぴしっとなっています、ベッドも」
「寝る時の」
「それもです」
「奇麗ですか」
「そうなっています」
「そうですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「連合軍は規律正しいのでしょう」
「服や靴が奇麗で」
「そうした格好ならどうしても」
「悪いことはですね」
「しようとする人が少ないので」
 これはこの時代でも言われていることだ、着ている服が手入れされていて奇麗ならばどうしても悪事を働く気にはなれないとだ。
 それでだ、こうも言うのだった。 
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