八条学園騒動記
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第五百二十八話 お見合いの前にその六
「いい様です、ベッドも整えお部屋も」
「いつも奇麗にですね」
「連合軍の隊舎は艦艇は毎日奇麗に掃除しているので」
勿論整理整頓も心掛けている。
「ですから」
「それで、ですね」
「非常に奇麗で」
「そうした場所にいつもいると」
軍規軍律でも徹底させているのだ。
「心もしっかりとなって」
「悪いことをしなくなりますね」
「逆に汚い場所にいて」
そしてというのだ。
「さらにです」
「服も汚いと」
「どうしても心も荒んで」
「気の緩みは服の緩みからともいいますね」
「ですからそうなってしまって」
「悪いことをしますね」
「その点連合軍は安心です」
この軍隊はというのだ。
「各国軍もそうですが」
「特に中央政府軍はですね」
「あの軍隊は服が奇麗で」
それでというのだ。
「尚更です」
「いいですね」
「はい、ただ」
ここでこうも言うミンチンだった。
「強いとはです」
「言われないですね」
「実戦経験はありますが」
エウロパ戦役だ、この戦争は中央政府軍だけでなく連合にとってもはじめての戦争であったのだ。そうした意味でも重要な戦争だった。
「しかし」
「どうしてもですね」
「強いイメージはないですね」
「そうですね」
マリアから見てもだ、このことは、
「連合軍は数と装備の軍隊で」
「見栄えと軍律はよくても」
「戦争で強いかは」
「また別の問題で」
実際に戦闘に対する訓練時間は短い。
「災害救助訓練や市民つまり私達との交流に熱心で」
「それで、ですね」
「どうにもです」
強さはというのだ。
「ないですね」
「そうですね」
「そこが問題で」
連合軍はというのだ。
「どうしてもです」
「大規模な戦争になれば」
「頼りないですね」
「全くですね」
「あの軍隊は、ですが」
それでもとだ、ミンチンはマリアにあらためて話した。
「本当に靴までです」
「奇麗で」
「はい、そこはいいと思います」
「それは本当にですね」
「夏の場合も」
連合軍の軍服は季節によって変わる、冬は黒だが夏は白になるのだ。これは連合軍は各国軍も中央政府軍も海軍にルーツがある軍隊だからだ。
「白い靴ですが」
「白ですと」
どうかとだ、マリアもわかった。
「それでもです」
「奇麗にですね」
「磨かれています」
そうだというのだ。
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