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八条学園騒動記

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第五百二十八話 お見合いの前にその三

「要するに」
「そうなりますね、おそらく」
「そうですね、ただ」
「ただとは」
「ソースはです」
 マリアは自分からその話をした、ステーキにとっては欠かせないそれの話だ。ステーキは焼き加減とこれが命とされている。
「私はチーズやバターも好きで」
「そうしたものもいいですね」
「トマトソースもオニオンソースも」
「お好きですか」
「お醤油も」
 和風のこれもというのだ。
「好きです」
「お醤油もいいですね」
 ステーキのソースにとだ、先生も同意して頷いた。
「確かに」
「そうですね」
「あっさりしていて」
「お肉の濃厚な味にです」
「お醤油をかけますと」
「また独特の味になりますね、ですから」
 マリアは微笑んで話した。
「お醤油もです」
「お好きで」
「よく食べます」
「ティボーンステーキの時も」
「そうしています」
「そうですか」
「それとです」
 マリアは先生にさらに話した。
「焼き加減はレアで」
「そちらですか」
「はい、ステーキは」
「私は結構何でも」
「レアでもですか」
「ミディアムでもです」
 こちらでもというのだ。
「好きでして」
「レアだけではないですか」
「はい、そちらもです」
 ミディアムもというのだ。
「好きでして」
「そこは違いますね」
「そうですね、ですがそのお店は本当にです」
「ステーキがですか」
「美味しくて」
「ティーボーンステーキもですね」
「美味しいので」
 だからだというのだ。
「是非です」
「そこは期待してですね」
「いいです」
「それでは」
 マリアは笑顔で頷いた、お見合いのことはまだよく考えられないがステーキのことは期待出来た。それでだった。
 そのレストランのことを楽しみながらだ、お見合いの日を待つことにした。そうした時にふとだった。
 ミンチンにこんなことを言われた。
「今不安でしょうか」
「お見合いのことで」
「どうでしょうか」
「不安と言えば」
 実際にとだ、マリアはミンチンに答えた。
「やはり」
「不安ですか」
「実際に」
 こう答えるのだった。
「その気持ちはです」
「否定出来ないですね」
「少し見ただけでは悪い印象は受けなかったです」
「外見は、ですね」
「いい感じでした、お顔も服も」
「はい、靴も」
 ここでミンチンはこちらを指摘した。 
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