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八条学園騒動記

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第五百二十八話 お見合いの前にその二

「レストランかホテルか」
「そうした場所ですか」
「そこでお食事を摂りつつ」
 そうしてというのだ。
「穏やかな雰囲気で、です」
「お話をですね」
「してもらうことになります」
「そうですか、お食事ですか」
「どういったお料理がいいでしょうか」
 先生はマリアにこのことも話した。
「一体」
「それは特に」
 これといってとだ、マリアは答えた。
「ありません」
「そうですか」
 先生はマリアの話を聞いて言った。
「ならフルコースで」
「それで、ですか」
「どうでしょうか」
「はい、私は」
 特に反対せずにだ、マリアは先生に答えた。
「構わないです」
「そうですか、ではフルコースにしますね」
「わかりました」
「美味しいレストランを知っていますので」
「そのお店で、ですか」
「フルコースを食べながら」
 そうしてというのだ。
「お見合いをしましょう」
「わかりました」
 マリアはまた頷いて返事をした、これでお見合いの話自体は終わった。だがここで先生はマリアにさらに話した。
「そのお店はステーキがです」
「美味しいのですか」
「他のお料理も美味しいですが」
 それだけでなくというのだ。
「特にです」
「ステーキがですか」
「ティーボーンステーキもあります」
「ティーボーンステーキですか」
 そう聞いてだ、マリアは顔を明るくさせた。そうして言うのだった。
「それはまた」
「お好きですか」
「ステーキ自体が好きですが」
「その中でもですか」
「ティボーンステーキが」
 笑顔でだ、マリアは先生に話した。
「好きなので」
「では都合がいいですね」
「はい、ティーボーンステーキを楽しんで」
「そのうえで、です」
「お見合いもですね」
「されて下さい、しかし先生がティボーンステーキがお好きとは」
「意外でしょうか」
 マリアは先生に問い返した。
「このことは」
「いえ、意外ではないですが」
「それでもですか」
「実は私の周りにはあのステーキが好きな人が多く」
 ティーボーンステーキをというのだ。
「それで思った次第です」
「そうでしたか」
「ステーキ自体が人気があり」
 そしてとだ、先生は考える顔で述べた。
「その中でもティボーンステーキは」
「二種類の最高のお肉を楽しめるので」
「だからですね」
「私も好きです」
「そして他の人も」
「そういうことでしょうか」
「元々人気メニューということですね」
 先生はマリアの前で結論を出した。 
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