八条学園騒動記
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第五百二十八話 お見合いの前にその一
お見合いの前に
お見合いの話を持ってきたその先生にだ、マリアは自分の席で仕事をしている時にふと尋ねられた。
「先生、宜しいでしょうか」
「何でしょうか」
「あらためてお見合いのことをお聞きしたいですが」
「お返事をですか」
「はい、どうされるのでしょうか」
「是非です」
マリアは先生に笑顔で答えた。
「受けさせて下さい」
「そうして頂けますか」
「はい」
こう先生に答えた。
「私も決めました」
「それでは」
「それでお相手の人は」
「はい、あちらの方はもう」
「お返事をですか」
「私にしてくれていまして」
マリアに温厚な笑顔で話した。
「是非とです」
「私と同じ返事ですね」
「その様に答えてくれました」
「そうでしたか」
「ですから」
「私が是非とお返事をしたので」
「そうです、決まりました」
双方が受けると答えたからだというのだ。
「では後は正確な日時をです」
「決めてですね」
「そうしてです」
そのうえでというのだ。
「またお話します」
「それでは」
「はい、それと」
さらにと言うのだった。
「その時の服ですが」
「お見合いに出る時は」
「清潔な服装であればいいので」
それでというのだ。
「特にです」
「着飾ることはですか」
「そうしたことはです」
特にと言うのだった。
「お気遣いなく」
「清潔な、ですね」
「そして露出も多くない」
「ではスーツですね」
「そうです、先生が今着ていられる様な」
若草色のブレザーと膝までのタイトスカート、白いブラウスに緑のネクタイというシックな恰好である。
「そうした風なです」
「今の感じで、ですか」
「いいと思います」
「そうですか」
「ですから」
先生はマリアにさらに話した。
「特に意識されることなく」
「そうしてですか」
「来られて下さい」
「お見合いの場に」
「それでいいので」
だからだというのだ。
「堅苦しくなられることもです」
「不要ですか」
「そうです」
まさにというのだ。
「そのこともです」
「お話してくれたのですね」
「はい」
こうマリアに答えた。
「あらかじめ」
「そうでしたか」
「それでは」
「おそらく場所は」
先生はこの話もしてきた。
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