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夢幻水滸伝

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第百四話 公園においてその五

「タゴールさんも」
「怖いわよね」
「あの統治を見れば」
 どうしてもというのだ。
「そう思えます」
「それがなのよ」
「実はですか」
「そう、玉座から降りるとね」
「そして起きた世界でも」
「一見怖そうでも」
 それでもというのだ。
「凄くいい子なのよ」
「そうですか」
「これがね」
「そこがわしにも」
 セベルベダはどうかという顔で述べた。
「わかりません」
「玉座にいる時と性格が違うことが」
「どうにも」
「二重人格では」
 こう言ったのはダリーオだった。
「それは」
「いや、どうか」
 こう言ったのはインファンテだった。
「玉座にいる時はあえて」
「厳しくしているんか」
「そうやないか」
 真剣な顔でだ、インファンテはセベルベダに話した。
「女帝も雷帝も」
「そうなんか」
「自分はそう思うけどな」
「そうかも知れないですね」
 ダリーオも述べた。
「僕は実際にです」
「そう考えてるか」
「はい、お二人は二重人格では」
「それが違うのよ」
 アレンカールは二人は二重人格ではという説にはこう返した。
「玉座にいる時も実はね」
「厳しくてもですか」
「確かに敵は生き埋めにもするわ」
 四十万の巨人の軍勢をそうした話もした。
「そして敵は皆殺しを」
「それを見ますと」
 ダリーオはどうかと述べた。
「あの人達はやはり」
「ええ、それでも人の道は踏み外していないから」
「冷酷であっても」
「味方や無実の人には何もしないわ」
「それで、ですか」
「二重人格かっていうと」
「またちゃいますか」
「ジキルとハイドじゃないわよ」
 そうした完全に別れた人格ではないというのだ。
「根っこは同じよ」
「人の道を踏み外してへん」
「そうなのよ」
「そういえば外道は一見いい人を装っていても」
 インペルが話した。
「その実は」
「そうやな、それがな」
 インペルの話にアレルフォが応えた。
「ちゃうな」
「根っこの外道がいざという時に出る」
「善人の仮面が剥がれて」
「そうしたもんや」地闘星
「そうやな」
「それはよく観ればわかる」
「外道は外道で」
 そしてと言うのだった、アレルフォも。 
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